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大学・研究所にある論文を検索できる 「新規ナノ物質の設計に向けた第一原理計算研究」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

新規ナノ物質の設計に向けた第一原理計算研究

飯田, 健二 京都大学

2023.03

概要

令和 4 年度

京都大学化学研究所 スーパーコンピュータシステム 利用報告書
新規ナノ物質の設計に向けた第一原理計算研究
First-Principles Study for Designing Novel Nanomaterials
北海道大学触媒科学研究所

飯田健二

研究成果概要
本研究では,京都大学化学研究所スーパーコンピュータシステムを利用してナノ物質の
第一原理計算を行う。電子構造や光学特性を原子レベルで明らかにして,得られた知見に
基づき光や電圧を利用する不均一系触媒の設計指針を提案するべく研究を進めている。本
年度は,PtIn2 合金ナノ粒子の電子遷移の機構を明らかにした。
[目的] 可視域に局在表面プラズモン共鳴(LSPR)吸収を示す材料としては,周期表 11 族
の単金属(Cu,Ag,Au)のみが使われてきた。しかし近年,B2(塩化セシウム)型や C1 型
の合金ナノ粒子が可視域に LSPR 吸収を示すことが京大化研寺西研究室にて見いだされ
た。我々は,合金ナノ粒子の設計に資する知見を得るべく理論計算研究を進めてきた。
2022 年度は,C1 型構造を持つ PtIn2 に着目して,光励起の機構を解析した。
[計算手法] 高い並列化効率を有する第一原理計算プログラム
SALMON を用いた大規模計算によって,直径数 nm のナノ粒子
の光励起電子ダイナミクスをシミュレーションした。結晶構造か
ら直径約 3 nm の Pt249In432 合金ナノ粒子(図 1)を切り出して計算
した。また,光触媒や光電極の研究へと展開していくため,溶液
中のナノ粒子や固液界面の光や電圧に対する応答を計算するこ
1,2
とが出来るようにプログラムを拡張した。

[結果と考察] 光励起の機構を明らかにするべく,2.8 eV で 20 fs

図 1. 対 象 と し た
Pt249In432 ナノ粒子。

のパルス光を照射したときの電子占有数の変化を解析した。光照
射中の 10 fs の時に比べると,光照射後の 20 fs では占有数が全体的に大きく変化していた。
これは光の照射にともない電子遷移が進んだことを示す。さらに遷移強度の軌道エネルギ
ーに対する依存性を比較したところ,10 fs ではフェルミレベル(0 eV)近傍の−1 ~ 1 eV で大
きく変化していた一方で,20 fs では−3 ~ −2 eV および 2 ~ 3 eV で大きく変化していた。金
ナノ粒子では,フェルミレベル近傍の自由電子のバンド内遷移が d 電子のバンド間遷移を
誘起することが知られている。Pt249In432 に対する本計算結果は,−1 eV から 1 eV にある電子
が光応答して,その後に−3 ~ −2 eV の電子がバンド間遷移することを示す。PtIn2 ナノ粒子
の光励起について,LSPR に起因するキャリア生成の機構が発現していることが分かった。
[発表論文(謝辞あり)] [1] K. Iida, J. Phys. Chem. C, 126, 7492-7499 (2022). [2] K. Iida, J. Phys.
Chem. C, 126, 9466-9474 (2022). ...

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