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大学・研究所にある論文を検索できる 「Analysis of mTOR pathway expression in lymphatic malformation and related diseases」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Analysis of mTOR pathway expression in lymphatic malformation and related diseases

堀, 由美子 大阪大学

2021.01.31

概要

〔目的(Purpose)〕
リンパ管異常は、リンパ奇形(LM: Lymphatic malformation)、カポジ型リンパ管腫症(KLA: Kaposiform lymphangiomatosis)、カポジ型血管内皮腫(KHE: Kaposiform hemangioendothelioma)などを含む希少疾患群である。病変が巨大な場合や、顎顔面に発生した場合には外科的切除が困難であり、QOLを著しく低下させる。これら疾患群は変異遺伝子や生物学的態度が異なるにもかかわらず、mTOR(mammalian target of rapamycin)経路の阻害薬であるシロリムスが著効することが報告され、本邦でも臨床第Ⅲ相試験が実施されている。mTORとその下流にある4EBP1(the eukaryotic translation initiation factor 4E-binding protein 1)とS6K1(the ribosomal protein S6 kinase 1)は、リンパ管異常の病因に重要な役割を果たしていると考えられている。しかし、リンパ管異常におけるmTOR経路の発現についての詳細な報告は未だない。本研究では、免疫組織化学的手法により、リンパ管異常におけるmTOR経路の発現を検討した。さらに脈管内皮における、シロリムスとmTORのノックダウンによるmTOR経路への影響を検討した。

〔方法ならびに成績(Methods/Results)〕
①患者情報LM(n=14)、KLA(n=2)およびKHE(n=2)の計18名のリンパ管異常患者の病理検体を用いた。検体は、生検、掻爬または切除によって得た。

②mTOR経路の免疫組織学的解析正常リンパ管およびリンパ管異常におけるmTOR経路の発現について、免疫組織化学的手法を用いて検討した。mTOR経路で重要な役割を果たすmTOR、4EBP1、S6K1と、その活性型であるpmTOR、p-4EBP1、p-S6K1の発現を分析した。正常リンパ管は4EBP1、S6K1およびp-S6K1を発現していたが、mTOR、p-mTOR、p-4EBP1は発現していなかった。全てのリンパ管異常でmTOR、4EBP1、S6K1、p-S6K1が発現していた。p-mTORはKLAとKHEの半数の症例で発現しており、p-4EBP1はLM、KLAおよびKHEの約半数の症例で発現していた。

③Invitro解析mTOR経路阻害による脈管新生への影響を検討するため、ヒト臍帯内皮細胞(HUVEC: Human umbilical endothelial cells)にシロリムスあるいはmTORのノックダウン処理を行い、mTOR経路の発現をwestern blotにて検討した。シロリムス(20nM)を投与した細胞では、p-mTOR/mTOR、p4EBP1/4EBP1およびp-S6K1/S6K1の比率は減少した。同様に、si-mTOR(15nM)を用いてmTORをノックダウンすると、p-mTOR/mTOR、p-4EBP1/4EBP1およびp-S6K1/S6Kの比率が減少した。

〔総括(Conclusion)〕
本研究により、リンパ管異常におけるmTOR経路の発現パターンを明らかとした。正常リンパ管と比較して、リンパ管異常ではp-4EBP1とp-mTORが高発現していた。mTOR経路の詳細な発現分析は、リンパ管異常の病因解明、ひいてはシロリムス治療のリンパ管異常への効果予測につながる可能性が示唆された。

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