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大学・研究所にある論文を検索できる 「Administration of Slow-Release Synthetic Prostacyclin Agonist Promoted Angiogenesis and Skeletal Muscle Regeneration for Limb Ischemia」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Administration of Slow-Release Synthetic Prostacyclin Agonist Promoted Angiogenesis and Skeletal Muscle Regeneration for Limb Ischemia

中川, 敬也 大阪大学

2020.10.31

概要

[目的]
重症下肢虚血(CLI)は死亡率、下肢切断率が高く重篤な疾患である。CLIに対する血行再建術の治療効果は限定的であり遺伝子治療、自己幹細胞治療などの様々な新規治療戦略が検討されているが有効性に関する一定の見解は得られていない。0N0-1301は、プロスタグランジンIP受容体作動およびトロンボキサンA2合成酵素阻害作用を有する合成低分子化合物で線維芽細胞、血管平滑筋細胞および血管内皮細胞のIP受容体に結合し細胞内cAMPの濃度を上昇させ、VEGF,HGF,SDF-1などのサイトカインの発現を亢進し血管新生や組織再生を促進することが知られている。今回我々は、CLIマウスに0N0-1301の徐放性マイクロスフェア製剤であるYS-1402を投与により、虚血下肢に血管新生、骨格筋再生がおこるか検証し、そのメカニズムの解明を目的とした。

[方法]
C57BL/6マウスの大腿動脈を結紮し作成したCLIモデルに対し結紮7日後に生食(生食群)またはYS-1402 (YS群)を筋注した。レーザードップラー(LDP)を用い虚血下肢の血流量(虚血肢/健側肢×100%)の評価、トレッドミルによる運動耐用能の評価および血管造影による新生血管数の評価を行うと共に、血管新生、骨格筋再生に関する組織学的検討および遺伝子発現とタンパク発現の定量をRT-PCR法、ウェスタンブロット法で行った。さらに、in vitroにおいてONO-1301投与することにより衛星細胞の増殖評価を行なった。

[成績]
虚血肢のLDP評価により生食群40.0±6.6%、YS群71.3±11.4%(P<0.01)とYS群で有意な血流量の改善を認め、トレッドミルの運動耐用能の評価および血管造影による新生血管数の評価ではそれぞれ生食群211.2±73.3%、YS群311.2±60.3%(P<0.05)、生食群64.2±5.3%、YS群84.6±6.4%(P<0.01)と有意な運動耐用能の改善と新生血管数の増加を認めた。さらに、治療4週間後に採取した虚血肢の組織学的検討でCD31+/αSMA+陽性血管数は生食群178±30.6個/m㎡、YS群458±32.2個/m㎡(Pく0.01)とYS群で有意な増加を認めた。また、RT-PCRによる各種蛋白の遺伝子発現の評価では、HGF,SDF-1,Ang1,Ang2,IP receptorおよびNCUMの遺伝子発現レベルは生食群 0.56±0.11, 0.68±0.12, 0.98±0.09, 2.86±0.66, 0.67±0.19, 0.87±0.17、YS群3.03±0.78, 1.45土0.29, 1.88±0.22, 8.59±1.55, 1.74±0.43, 1.99±0.44, (P<0.01, P<0.05, P<0.01, P<0.01, P<0.05, P<0.05)とYS群で有意に高値であった。
一般的に、骨格筋再生過程では筋組織内に存在する衛星細胞が筋芽細胞、筋管細胞へと分化•融合していくことが知られている。今回の検討では、虚血肢組織の免疫染色で衛星細胞のマーカーであるPax7とKi67陽性細胞数(生食群43.1±25.5個/m㎡、YS群216.5±29.2個/m㎡ (P<0.01))がYS群で高く衛星細胞が活性化されていると考えられた。また、Pax7および筋芽細胞、筋管細胞のマーカーであるMyoD,Miogeninの遺伝子発現は、YS群でより高い傾向を示し、骨格筋再生 シグナルのERKの発現は生食群0.11±0.01、YS群0.15±0.01(P<0.05>とYS群で有意に高値であり、骨格筋再生が促進していると考えられた。さらに、in vitroによる衛星細胞の増殖評価において、0N0-1301投与により衛星細胞の増加が確認された。

[総括]
CLIマウスへのYS-1402の投与は虚血肢の血管新生を促し、血流量の増加および骨格筋再生を促進する可能性が示唆された。

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