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大学・研究所にある論文を検索できる 「毛細リンパ管形成の in vitro 評価モデルにおけるリンパ管内皮細胞による管腔形成およびその維持調節の分子機構解明」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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毛細リンパ管形成の in vitro 評価モデルにおけるリンパ管内皮細胞による管腔形成およびその維持調節の分子機構解明

奥山 勝揮 東京薬科大学

2022.03.18

概要

リンパ管は血管と同様全身に張り巡らされたネットワークを形成しており,老廃物を血管系へと還流することにより血液量や組成を一定に保ち,閉鎖循環系を維持している.また,リンパ管は,リンパ球や樹状細胞などの免疫細胞を循環させ,全身における迅速な免疫応答を可能にする重要な役割を担っている.さらに,先天性のリンパ管形成不全やがん治療におけるリンパ管郭清術は,組織間隙に組織液を貯留させ,膠質浸透圧を上昇させることで、リンパ浮腫を引き起こすことが知られている.

リンパ管は主に集合リンパ管と毛細リンパ管の2つに分類され,それぞれ異なる特性を有している(Fig.1).集合リンパ管は,Ⅳ型コラーゲンやラミニンなどを含む基底膜や平滑筋と隣接しており,基底膜と直接接している毛細血管と類似した存在様式を示す.また,リンパ管内皮細胞同士が連続して接着しているzipperjunctionと呼ばれる接着斑を形成している.一方,毛細リンパ管は末梢組織に存在し,その周囲には基底膜や平滑筋が存在せず,さらにリンパ管内皮細胞同士が不連続に接着しているbuttonjunctionと呼ばれる接着斑を形成する.さらに、皮膚組織における毛細リンパ管の周囲にはⅠ型コラーゲンが存在している.毛細血管や集合リンパ管とは隣接する細胞外マトリックス(ECM)が異なることから,毛細リンパ管の機能調節にはECM特異性があると推察される.しかしながら,Ⅰ型コラーゲン存在下における毛細リンパ管の形成機構は十分に理解されていない.

リンパ管新生を調節する代表的な因子として血管内皮細胞増殖因子C(VEGF-C)およびVEGF-Dが知られている.皮膚の真皮層において毛細リンパ管と隣接している皮下脂肪組織はVEGF-Cなどを分泌することが報告されている.一方,脂質メディエーターとして注目されているリゾホスファチジン酸(LPA)はリンパ管形成促進作用を示すことが報告されている.また,LPAは脂肪組織に高発現するオートタキシン(ATX)によりリゾホスファチジルコリン(LPC)から生成される.最近,多彩な生物活性が報告されている環状ホスファチジン酸(cPA)もATXによるLPC分解により生じる.さらに,cPAの生物活性はLPA受容体を介して発現することが報告されている.しかしながら,cPAとLPAの生物活性は必ずしも一致せず,リンパ管形成に対するcPAの作用については全く不明である.

本申請論文では,毛細リンパ管形成の分子機構を明らかにするために,1)Ⅰ型コラーゲンゲルによる毛細リンパ管形成のinvitro評価モデルの構築とこのモデルでのリンパ管形成に対するVEGF-C,LPAおよびcPAの作用,2)cPAによる毛細リンパ管形成促進の分子機構,3)VEGF-Cによる毛細リンパ管の維持調節を生化学的に検討した.

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