リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「慢性うっ血は肝類洞内皮細胞の毛細血管化を介して肝線維化/肝がん進展を促進する (第137回成医会総会一般演題)」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

慢性うっ血は肝類洞内皮細胞の毛細血管化を介して肝線維化/肝がん進展を促進する (第137回成医会総会一般演題)

河合, 裕成 大澤, 陽介 松田, 道隆 角田, 知之 柳田, 圭介 菱川, 大介 大川 原, 未来 坂本, 譲 島垣, 智成 筒井, 由梨子 吉田, 祐一 吉川, 詩織 土肥, 弘義 森, 泰三 山添, 太士 由雄, 祥代 小松, 陽樹 乾, あやの 中野, 美和 尾山, 千夏"進藤, 英雄"草野, 弘宣"鹿毛, 政義"池上, 徹"矢永, 勝彦"考藤, 達哉 東京慈恵会医科大学

2020.11.15

概要

【目的】
 Budd-Chiari 症候群や右心不全を基盤とする慢性うっ血肝は,進行性肝線維化/ 発癌の原因となるが,その進展機序は不明であり,治療法も確立していない.本研究では,国立国際医療研究センター肝炎免疫研究センターで樹立したうっ血肝モデルマウスを用いて,肝線維化/ 肝癌進展機序を明らかにし,治療標的を同定する事を目的とした.

【方法】
 部分下大静脈結紮(pIVCL)によりうっ血性肝線維化モデルを,ジエチルニトロサミン併用によりうっ血性肝癌モデルを作成し,術後6週または19週で線維化/ 腫瘍増生を評価した.pIVCL 前後での門脈圧/ 下大静脈圧を同時測定した.PCR-array 法を用いた肝組織での網羅的線維化/ 肝癌関連遺伝子解析を施行し,うっ血性肝線維化/ 肝癌特異的な因子を探索した.肝類洞内皮細胞(LSEC)の関与を検討するため,形態変化を電子顕微鏡で評価した.肝線維化と腫瘍増生に関与する脂質メディエーターであるShingosine-1-phosphate(S1P)に着目し,肝内S1P を質量分析で評価した.S1P 受容体サブタイプ( S1PR1/2/3)特異的阻害剤及び抗生剤を用いて,S1P/ 腸内細菌のうっ血性肝線維化/ 肝癌への関与を評価した.


【結果】
 pIVCL 直後より門脈圧/ 下大静脈圧の上昇を認め,その後肝線維化/ 発癌が生じた.PCR-array 解析にて,うっ血肝特異的にendothelin-1(ET-1)とangiopoietin-2(ANGP-2)の発現亢進を認めた.capillarized LSEC(c-LSEC)を示唆する微細形態変化とマーカー(ET-1/CD31)発現上昇を認めた.うっ血肝では肝内S1P が増加し,S1P 合成酵素の発現上昇を主にc-LSEC で認めた.S1PR2阻害剤投与で肝線維化が,S1PR1阻害剤投与で肝癌促進が抑制された.抗生剤投与によりpIVCL に伴う門脈血中リポ多糖(LPS)上昇が抑制され,さらにc-LSEC 誘導,線維化,腫瘍増生が抑制された.うっ血肝患者でも血清ET-1/ANGP-2上昇と肝組織でのc-LSEC 誘導が認められた.

【結論】
 うっ血肝の病態において,門脈圧上昇/ 腸管透過性亢進に伴う門脈血中LPS 上昇がLSEC capillarizaiton 誘導に寄与し,capillarizedLSEC 由来のS1P がうっ血性肝線維化/ 肝癌を誘導する事を明らかにした.うっ血性肝線維化/ 肝癌における新たな治療戦略に繋がる可能性が示唆された.

関連論文

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る