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大学・研究所にある論文を検索できる 「Sanguisorba officinalis L. derived from herbal medicine prevents intestinal inflammation by inducing autophagy in macrophages」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Sanguisorba officinalis L. derived from herbal medicine prevents intestinal inflammation by inducing autophagy in macrophages

安枝, 明日香 大阪大学

2020.07.31

概要

〔目的(Purpose)〕
オートファジーは細胞内不良タンパク質の除去、浸潤細菌の排除を通じて細胞の恒常性を維持する機構である。 Atgl6L1は、オートファジーの関連遺伝子として知られ、その一塩基多型が炎症性腸疾患(1BD)患者の全ゲノム関連解析から発見された。同様に、オートファジー関連遺伝子であるNOD2やLRRK2が、IBDの発症と関連することが報告されている。さらには、機能欠損を含むオートファジーの活性低下は、過剰な炎症応答を介して腸管炎症に影響することが知られ、オートファジー誘導が腸炎緩和に寄与するとの報告がある。そこで、本研究ではオートファジー誘導化合物による腸炎治療効果およびそのメカニズム解明を目的とした。

〔方法(Methods)〕
3922種類の天然成分ライブラリより、MEF細胞におけるオートファゴソームの集積を指標に、High throughput assayを 用いて、オートファジーを誘導する化合物のスクリーニングを実施、33種類を同定した。それら成分について、2%デキストラン硫酸ナトリウムにより腸炎を誘導する薬剤誘導性腸炎モデルマウス(DSSマウス)に投与したところ、強い炎症緩和能(体重減少抑制、腸管長の短縮抑制、組織における炎症細胞浸潤抑制など)を呈する、Sanguisorba Officinalis L.(SO)を見出した。そこで、腸管上皮細胞並びに腸管マクロファージ(Μφ)における、SOのオートファジー活性と腸炎緩和能について、WTマウス、並びに通常型オートファジーにおいて必須とされるAtg7のコンディショナルノックアウトモデルマウス2系統(villin-cre; Atg7とLysM-cre; Atg7 mice)を用いて検討した。

〔成績(Results)〕
WTマウスにおいて、炎症時の腸管上皮、Μφ、および骨髄由来マクロファージにおいて、SO投与によるオートファジ 一誘導を観察した。加えて、腸管粘膜固有層由来細胞群において、SO投与による炎症性サイトカイン、Il6 の発現低下を認めた。一方で、単球・ Μφにおいてオートファジーを欠損するLysM-cre; Atg7マウスにおいては、SO投与による腸炎緩和効果は観察されなかったことより、Μφにおけるオートファジー誘導が、腸炎緩和に寄与したと考えられる。さらには、Atg7マウスにおいて、SO投与によるIL-6, IL-23の発現低下、IL-10および、抗炎症的に働く Μ2ΜΦマーカー Relmα, CD206, Arg1の発現増加を認めたが、LysM-cre; Atg7マウスにおいては、同様の変化を認めなかった。対照的に、腸管上皮細胞特異的にAtg7を欠損するVillin-cre;Atg7マウスにおいては、Atg7マウス、WTマウス同様に、SO投与による腸炎緩和を観察したことより、腸管上皮におけるオートファジー誘導が、腸炎緩和に及ぼす影響は限定的であることが示唆される。

〔総括(Conclusion)〕
オートファジー誘導化合物として同定された生薬SOは、Μφにおけるオートファジー誘導を介して、炎症性および抗炎症性サイトカインの産生調整を介して、腸炎を緩和した。