書き出し
日本人のための日本語教育を考える (教育数学の一側面 : 高等教育における数学の多様性と普遍性)
概要
日本における国語教育は文学的な面に偏っていて,言語技術教育がきわめて手薄である最初に,文学的文章と情報を伝えることを目的とする文章(伝わる文章)では,書き方の教育を区別すべきことを主張する.小中高校での国語教育を概観した後,大学レベルでの「伝わる文章を書く技術」の教育に関する私見を述べるアメリカでの同目的の教育と比較して,遅れと不十分さを論じる.次に,小中高大を含めた言語技術教育の必要性を主張した木下是雄と三森ゆりかの論を紹介する最後に,新井紀子をリーダーとするリーディングスキル・テストで明らかになった,中高生の基本的な「読む力」が不足しているという結果を報告する最後に,「読み書きそろばん」の「そろばん」にたいする私見を述べる.