信州公衆衛生学会をラダーに(巻頭言)
概要
Shinshu Journal of Public Health Vol. 18 No. 1, August 2023
巻頭言
信州公衆衛生学会をラダーに
公益社団法人長野県看護協会
会長 松本 清美
2006 年 8 月に信州公衆衛生雑誌の Vol.1 No.1 が発刊されて 17 年になります。今回巻頭言を書
かせていただくにあたり、Vol. 1を再度読み返してみました。多くの職種、職場からの発表があり、
あらためて、この学会が目指してきた相互理解の推進、情報交換の場となり、公衆衛生の向上に連
動してきていることを感じました。
第 1 回の学会において私自身「思春期ピアカウンセラー・システムづくり事業の取り組みについ
て」という演題で発表の機会をいただきました。
思春期ピアカウンセラー事業に取り組み 3 年が経過したところでの経過をまとめ考察をしました。
事業の 1 年目、2 年目には長野県が主催している「健康づくり討論会」において「その 1」「その2」
として報告していたところ、当時の飯田保健所長であられた佐々木先生からお誘いを受けて、発表
しました。事業をまとめ、振り返ることで課題や方向性が整理でき、他者へ伝える経験ができました。
2010 年「長野県における平成 19 年、20 年の自殺者の傾向について」2012 年「薬物依存症に関連
する精神保健相談対応のあり方」をテーマにした発表。その際投稿の執筆に背中を押していただき、
大変な思いをしながらも寄稿までさせていただきました。
その後は後輩の皆様への発表への働きかけ、サポートを行ってきました。
2018 年に作成した「長野県保健師 活動・人材育成指針」の中の長野県保健師のキャリアパスに
おいて、求められる業務経験として「中堅前期で健康づくり研究討論会、中堅中期には信州公衆衛
生学会、中堅後期には公衆衛生学会での発表。管理期には研究討論会、学会発表等へのサポート」
を明記しました。
自身の経験からも、事業をまとめ、研究をすることは本人はもちろんですが、周りの後押し、サ
ポートがとても重要だと考えます。
10 月 7 日に「つなぐ看護多様な社会で生きる」をテーマに開かれます長野県看護研究学会の学会
長となります。専門領域間で深めることも重要ですが、公衆衛生の現場で行われている様々な活動
を知り、つながっていく場としての当学会の今後に期待いたします。
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信州公衆衛生雑誌 Vol. 18 No. ...