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大学・研究所にある論文を検索できる 「巻頭言」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

巻頭言

飛松, 裕基 京都大学

2023.11.21

概要

巻頭言
「生存圏研究(Sustainable Humanosphere)」は、2006 年に第 1 号が発刊され、その後、毎年度 1 冊ず
つ発刊され、今回第 19 号の発刊となりました。生存圏研究所の理念を発信する重要な出版物として継
続的に発刊されている雑誌ですが、時代の変化と共に進化し、より効果的で持続可能な手段で情報を
発信していくために、今般、発行形態を少しずつ変更させてきました。昨年度からは、発刊以来、継
続してきた印刷物(紙の雑誌)の発行を停止し、オンラインでの公開に一元化することにしました。
これは、単にペーパーレスによるコスト削減や省エネの推進だけではなく、デジタル技術により得ら
れる読者と著者のメリットを追求していく契機となると考えています。
私事ですが、大学院生時代には、図書館で司書のアルバイトをしていました。毎週のように送られて
くる最新の論文雑誌を新刊コーナーに並べ、バックナンバーは合冊して階下の書庫へ。お気に入りの
雑誌の最新号を手に取り、当時まだ目新しかったカラーの図表に心躍らせました。千頁を超えるよう
な製本雑誌がびっしり詰まった薄暗い書庫の中から目的の論文を探し出すのには苦労しました。貸出
カードに教授や先輩の名前を見つけて少し嬉しくなりました。他大学の図書館に依頼した論文の複写
が郵便で届くのを今か今かと待ち侘びました。自分の書いた論文が掲載された雑誌が届いたときには、
真っ先に手に取り、喜びました――時代は変わり、図書館で紙媒体の雑誌を読む機会は大きく減りま
した。査読を終えた論文は、即座にオンライン公開され、SNS で世界中に拡散されます。カラフルな
図表や写真で溢れた数十メガバイトの論文も、タブレットやスマートフォンを使って、いつでも、ど
こでも、瞬時にダウンロードして、読むことができます。動画コンテンツ、論文の内容を補完する大
容量データなど、研究の理解を深め、論文の内容をよりダイナミックに、インタラクティブに伝える
オンラインコンテンツが導入されています。そして、ここ数年、
(私が今この巻頭言を書きながらそう
しているように)AI によるデータ分析や言語処理が、論文の作成、編集、閲覧、分析に至るまで様々
な場面で活用されるようになってきました。ノスタルジックな図書館の雰囲気や紙の温もりは今も大
好きですが、デジタル技術の活用は、科学研究のコミュニケーションの発展に必要不可欠です。
生存圏研究所は、2004 年の発足以来 19 年にわたり研究活動を続けてきました。本研究所が推進する
生存圏科学は、人間が生きていく上で必須の空間を「生存圏」として捉え、その現状を正確に診断し
て評価し、生起する様々な問題に対して包括的な視点に立った解決策の提示を目指します。異なるバ
ックグラウンドを持つ研究者たちと協働し、持続発展可能な社会の構築に向け、分野横断的な新しい
学問領域の開拓に取り組んでいます。本号に掲載された論文のラインナップも多様性に富む生存圏研
究所ならではと感じます。
生存圏研究所では、これからも持続発展可能な社会の構築に向けて取り組んでいきます。その一助と
して本誌「生存圏研究(Sustainable Humanosphere)」が広く講読され、研究者のみならず一般の方々に
も手に取っていただけるようになることを期待して、巻頭言とさせていただきます。 ...

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