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大学・研究所にある論文を検索できる 「Notchシグナルによる関節軟骨細胞の制御機構」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Notchシグナルによる関節軟骨細胞の制御機構

岩永, 康秀 東京大学 DOI:10.15083/0002007062

2023.03.24

概要

[課程-2]
審査の結果の要旨
氏名 岩永康秀
本研究は軟骨表層細胞における Notch シグナルが関節軟骨の恒常性の維持に重要な役割を
果たすことを検討するため、Prg4GFP-CreERT2; Rbpjfl/fl マウスを使用した系にて、in vitro,

in vivo の両面から解析を行い、下記の結果を得ている。
1.軟骨表層細胞の Notch シグナル発現を解析するため、軟骨組織から軟骨表層細胞と軟
骨深層細胞を取り分けて、Notch シグナル関連遺伝子の発現を比較した。その結果、
Notch 関連遺伝子はいずれも軟骨表層細胞で強く発現していることが明らかとなった。
2.in vivo の実験では、軟骨表層特異的に Notch シグナルをノックアウトする Prg4GFPCreERT2;

Rbpjfl/fl マウスを作成し、DMM 手術による変形性膝関節症の進行程度を組織学的

に検討した。3 ヶ月後の評価で、コントロール群では関節症性変化がほとんど進行してい
なかったが、ノックアウト群では変形性膝関節症が顕著に進行していた。また、Prg4GFPCreERT2;

Rbpjfl/fl;Ai14 マウスを用いた cell tracking 解析では、Notch シグナルをノックア

ウトした細胞が深層へ分化していることも明らかにした。
3.in vitro の解析では、マウス大腿骨頭の器官培養による系で検討した。生後 1 ヶ月の
WT マウスから採取した大腿骨頭に DAPT を添加する系と生後 1 ヶ月の Prg4GFP-CreERT2;

Rbpjfl/fl マウスから採取した大腿骨頭に水溶性タモキシフェンを添加する系を作成し、経時
的に軟骨分化マーカーを測定した。リアルタイム RT-PCR では、WT、Prg4GFP-CreERT2;

Rbpjfl/fl マウスの双方とも軟骨分化傾向が示された。
4.軟骨表層細胞における Notch シグナル下流の転写因子についても検討した。軟骨表層
細胞では転写因子の発現として Hes1 と Hey1 が同定された。一方で、軟骨深層細胞では

Hes1 の発現はみられたが、Hey1 の発現は同定できず、Hey1 は軟骨表層に特異的に発現
していると考えられた。
5.Notch シグナルの軟骨分化抑制作用を検討した。Notch1 を過剰発現する Prg4GFPCreERT2;

CAG-CAT-Notch1 マウスから採取した軟骨表層細胞を培養し、経時的に観察した

ところ、軟骨分化マーカーが抑制していた。また、Dox 誘導性 Hey1 発現遺伝子を ATDC
5に導入し、ITS 分化培地で培養したところ同様に軟骨分化が抑制されていた。
以上、本論文は軟骨表層細胞における Notch シグナルに着目し、関節軟骨の恒常性の維持
に極めて重要な分子シグナルであることを in vitro, in vivo の両面より明らかにした。
よって本論文は博士( 医

学 )の学位請求論文として合格と認められる。

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