リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「成人先天性心疾患患者における心機能と長期予後に対するC型肝炎ウイルスの影響」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

成人先天性心疾患患者における心機能と長期予後に対するC型肝炎ウイルスの影響

紺野 亮 東北大学

2020.03.25

概要

【背景】HCV(hepatitis C virus; C 型肝炎ウイルス)が心機能に悪影響を及ぼすことが報告されている。 HCV のスクリーニング検査は、1992 年に確立されたため、1991 年以前に心臓手術を受けた ACHD(adult congenital heart disease; 成人先天性心疾患)患者では輸血による HCV 感染者が多いと考えられる。しかしながら、ACHD 患者における HCV の心機能や長期予後に対する影響については検討されていない。したがって、本研究は、ACHD 患者において、HCV が心機能低下や長期予後悪化のリスク因子の一つなのではないかと仮説を立て検証した。

【方法】1995 年から 2015 年までに当院受診歴があり、1991 年以前に心臓手術を受けた 243 例の ACHD 患者を後方視的に検討した。HCV 抗体陽性群 48 例と、HCV 抗体陰性群 195 例で、心機能や複合エンドポイントの発生を比較した。複合エンドポイントは、心臓死、心不全入院、持続性心室頻拍、心室細動、心臓再手術の複合とした。

【結果】体心室の駆出率が 50%未満である割合は、HCV 抗体陽性群で有意に多かった(HCV 抗体陽性群 17%、 HCV 抗体陰性群 5.4%、P=0.014)。平均観察期間 10.1 年で、複合エンドポイントの発生は 51 例に認められた。カプランマイヤー法では、HCV 抗体陽性群において有意に複合エンドポイントの発生が多かった(log-rank, P=0.002)。一方で、HCV RNA(ribonucleic acid)陽性は、HCV 抗体陽性群において、複合エンドポイントの有意な予測因子ではなかった(log-rank, P=0.442)。さらに単変量と多変量の Cox 比例ハザードモデルにおいて、HCV 抗体陽性が複合エンドポイント発生に有意に関連していた(単変量 P=0.005、多変量P=0.034)。ハザード比は多変量解析において、1.95(95%信頼区間 1.05− 3.61)であった。

【結論】HCV は ACHD 患者の心機能や長期予後に影響するため、ACHD 患者の管理において、HCV 抗体陽性に注意すべきであると考えられる。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る