リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「中国浙江省余姚市田螺山遺跡出土木柱の放射性炭素年代」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

中国浙江省余姚市田螺山遺跡出土木柱の放射性炭素年代

中村, 俊夫 金原, 正明 菊地, 大樹 丸山, 真史 孫, 国平 松井, 章 中村, 慎一 佐藤, 正教 名古屋大学

2023.03

概要

に立っている、あるいは横たわっている木柱のうち主要な
97 本選んで最外年輪に近い部位から
の木柱がむき出しにされていた。低湿地に村落を形成していたことから、発掘された木柱は高床式
田螺山遺跡は、中華人民共和国浙江省余姚市に位置する新石器時代前期の沖積低地遺跡であり、
14
住居の木柱と推察される。田螺山遺跡の発掘は、層序を確認しつつ行われていたが、これは相対的
材片を採取し、名古屋大学の加速器質量分析計を用いて放射性炭素(
C)年代を測定した(中
現在は、この場所は四方を水田に囲まれている。2013年3月、2014年10月および2016年9月に、田螺
な編年でしかない。遺跡の各層が何年前に形成されたかを年代値として捉えるために、遺跡内で床
1999)。今回は、こうして採取した試料の中から、2013
年 3 月および 2014 年 10 月に採取した
山遺跡を調査に訪れた際、遺跡全体の発掘が進行しており、おびただしい数の木柱がむき出しにさ
面に立っている、あるいは横たわっている木柱のうち主要な
97 本選んで最外年輪に近い部位から
14
れていた。低湿地に村落を形成していたことから、発掘された木柱は高床式住居の木柱と推察され
点の木柱について得られた
C 年代を用いて、田螺山遺跡の編年について検討して得られた結果
14
木材片を採取し、名古屋大学の加速器質量分析計を用いて放射性炭素(
C)年代を測定した(中
る。田螺山遺跡の発掘は、層序を確認しつつ行われていたが、これは相対的な編年でしかない。遺
報告する。田螺山遺跡から出土した木柱の出土層位は、
上層から下層に向けて、第 3 層、第 5 層、
村 1999)
。今回は、こうして採取した試料の中から、2013 年 3 月および 2014
年 10 月に採取した
跡の各層が何年前に形成されたかを年代値として捉えるために、遺跡内で床面に立っている、ある
14
6 層、第 7 層、第 8 層と区分されている。それぞれ出土層に属する木柱の
C 年代の平均値を求
14
いは横たわっている木柱のうち主要な97本選んで最外年輪に近い部位から木材片を採取し、名古屋
65 点の木柱について得られた
C 年代を用いて、田螺山遺跡の編年について検討して得られた結果
ると、第
8
層で
6040±50
BP、第
7
層で
5960±50
BP、第
6 層で(中村
5870±70
BP、第第
5 層で
大学の加速器質量分析計を用いて放射性炭素
(14C)
年代を測定した
1999)。今回は、こうして
を報告する。
田螺山遺跡から出土した木柱の出土層位は、
上層から下層に向けて、
3 層、
第 5 5680
層、
14
14
14
60 BP、第
3
層で
5420±80
BP
と得られ、層序関係と
C
年代値の新旧は良く調和している。
採取した試料の中から、2013年3月および2014年10月に採取した65点の木柱について得られた
C年代
第 6 層、第 7 層、第 8 層と区分されている。それぞれ出土層に属する木柱の C 年代の平均値を求
4
を用いて、田螺山遺跡の編年について検討して得られた結果を報告する。田螺山遺跡から出土した
C 年代を暦年較正した結果として、第
7000〜6800
cal BP、第
7 層で 6900〜6700
cal 5680
BP、
めると、第
8 層で 6040±50 BP、第87 層で
層で 5960±50
BP、第
6 層で 5870±70
BP、 第 5 層で
木柱の出土層位は、上層から下層に向けて、第3層、第5層、第6層、第7層、第8層と区分されている。
14
±60 BP、第 cal
3 層で
5420±80
BP146500〜6300
と得られ、層序関係と
C3年代値の新旧は良く調和している。
6 層で 6800〜6500
BP、第
5 層で
cal BP、第
層で 6300〜6100 cal BP の範囲に集
それぞれ出土層に属する木柱の
C年代の平均値を求めると、第8層で6040±50
BP、第7層で5960±50
14
C 年代を暦年較正した結果として、第
8約
層で
7000〜6800
cal BP、第
7 層で
6900〜6700 cal BP、
すると推察される。
まとめると、田螺山遺跡は、
7000
cal BP から
6000 cal
BP にかけて栄えた、
BP、第6層で5870±70 BP、第5層で5680±60 BP、第3層で5420±80 BPと得られ、層序関係と14C年代
第 6 層で 6800〜6500 cal BP、第 5 層で 6500〜6300 cal BP、第 3 層で 6300〜6100 cal BP の範囲に集
本で言う縄文時代前期の大集落遺跡である。
値の新旧は良く調和している。
中すると推察される。
まとめると、田螺山遺跡は、約 7000 cal BP から 6000 cal BP にかけて栄えた、
14
C年代を暦年較正した結果として、第8層で7000~6800 cal BP、第7層で6900~6700 cal BP、第6層
日本で言う縄文時代前期の大集落遺跡である。 ...

参考文献

中村俊夫(1999)放射性炭素法.考古学のための年代測定学入門,長友恒人(編)

,古今書院,1-36.

中村俊夫(2003a)加速器質量分析(AMS)による環境中およびトレーサ放射性同位体の高感度測定.

Radioisotopes, 52 (3), 144–171.

中村俊夫(2003b)放射性炭素年代測定法と暦年代較正.環境考古学マニュアル,松井 章編著,同成

社,301–322.

中村俊夫(2006)AMSによる14C年代測定結果の留意点-第2回-AMSによる14C年代測定のための試料採

取・保存・調製.考古学ジャーナル ,548, 43–46.

Bronk Ramsey, C. (2009) Bayesian analysis of radiocarbon dates. Radiocarbon, 51 (1) , 337–360.

Reimer, P.J., Bard, E., Bayliss, A., Beck, J.W., Blackwell, P.G., Bronk Ramsey, C., Buck, C.E., Cheng, H.,

Edwards, R. L., Friedrich, M., Grootes, P.M., Guilderson, T. P., Haflidason, H., Hajdas, I., Hatté, C., Heaton, T.

J., Hoffmann, D. L., Hogg, A., G., Hughen, K.A., Kaiser, F., Kromer, B., Manning, S.W., Mu Niu, M., Reimer,

R. W., Richards, D.A., Scott, E.M., Southon, J.R., Staff, R.A., Turney, C.S.M. and van der Plicht, J. (2013)

IntCal13 and Marine13 radiocarbon age calibration curves 0–50,000 years al BP. Radiocarbon, 55(4), 1869–

1887.

...

参考文献をもっと見る

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る