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大学・研究所にある論文を検索できる 「ホルモン受容体陽性・HER2陽性乳癌の腫瘍内不均質性に関する検討」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

ホルモン受容体陽性・HER2陽性乳癌の腫瘍内不均質性に関する検討

照屋, なつき 東北大学

2023.03.24

概要

(書式18)




位 論 文 要 約
A b s t r a c t )

博士論文題目 Title of dissertation
ホルモン受容体陽性・HER2 陽性乳癌の腫瘍内不均質性に関する検討

東北大学大学院医学系研究科医科学専攻
がん生命科学講座がん治療内科学分野
氏名 Name

照屋

なつき

遺伝子発現プロファイリングに基づいた乳癌の intrinsic subtype は治療反応性や予後と相関するため、
適切な治療方針決定に有用である。日常臨床では、免疫組織化学法を主体とした ER(estrogen receptor)
/PgR (progesterone receptor)/HER2(Human epidermal growth factor 2)/Ki67 の検索によって判定し、
乳癌を大きく 4 つのサブタイプに分類し、サブタイプに応じた治療を行っている。
ホルモン受容体陽性・HER2 陽性乳癌は、周術期薬物療法として化学療法、抗 HER2 療法、内分泌療法の
すべての治療が適応となるが、これらの治療に対する抵抗性がしばしば経験される。ER 陽性の癌細胞と HER2
陽性の癌細胞がそれぞれ 10%以上含まれるとホルモン受容体陽性・HER2 陽性乳癌と代替的に定義されるこ
とから、ひとつの腫瘍内に、ER 陽性の癌細胞と HER2 陽性の癌細胞がさまざまな割合で混在する可能性があ
る。この腫瘍内不均質性がホルモン陽性 HER2 陽性乳癌における治療抵抗性の一因となり得るかどうかを見
出すことを目的に本研究を行った。
本研究では、ホルモン陽性 HER2 陽性乳癌症例のうち、手術先行例 92 例と薬物療法先行例 45 例の 2 つの
患者群を対象とした。手術先行例では手術標本で、薬物療法先行例では治療前の針生検と治療後の手術標本、
再発巣の生検がされている症例では再発巣の生検標本を用いて腫瘍内不均質性を評価した。腫瘍内不均質性
の評価の手法として、
ひとつの細胞で ER と HER2 を同時に評価できるよう、ER と HER2 の二重染色を用いた。
各症例において、ER と HER2 の二重染色を用いて同一腫瘍内の細胞を ER 陽性 HER2 陰性細胞、ER 陽性 HER2
陽性細胞、ER 陰性 HER2 陽性細胞、ER 陰性 HER2 陰性細胞の 4 つにわけた。ひとつの腫瘍内に ER 陽性 HER2
陽性細胞のみが認められる症例を「腫瘍内不均質性なし」と定義した。腫瘍内不均質性と予後との関連、術
前薬物療法群における薬物療法に対する治療感受性などを調べた。
手術先行例で 92 例中 81 例(88%)
、薬物療法先行例で 45 例中 41 例(91%)において腫瘍内不均質性が
確認された。非浸潤癌巣や浸潤径の小さな浸潤癌巣でも腫瘍内不均質性が認められたことや、HER2 遺伝子
増幅と蛋白過剰発現との不一致例が認められたことなどから、遺伝子型の多様性、表現型の多様性により腫
1

(書式18)
瘍内不均質性が生じていることが示された。腫瘍内不均質性は従来の予後予測因子である浸潤径やリンパ節
転移個数など悪性度の高い因子と関連する傾向が認められた。
薬物療法先行例では、針生検標本内の構成細胞によって治療効果に差がみられた。また、Luminal HER2 type
乳癌の多くは、術前薬物療法後に複数のサブタイプの癌細胞が遺残し、術後治療が施行されたのちに再発し
た場合にもさらにサブタイプが変化しうることが確認できた。術前薬物療法後の遺残癌の構成細胞の情報に
基づき適切な治療を追加することが予後の改善につながる可能性がある。
サブタイプ上は Luminal HER2 type と一括りにされる腫瘍であっても、実際には症例毎に異なる病態を示
している可能性があり、現在の標準治療では十分な治療効果が得られない症例がいる可能性がある。腫瘍全
体のサブタイプに加えて不均質性を考慮した癌のさらなる個別化、治療戦略の確立が重要だと考えられる。 ...

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