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大学・研究所にある論文を検索できる 「多官能基性化合物の位置選択的分子変換」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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多官能基性化合物の位置選択的分子変換

上田, 善弘 京都大学

2023.03

概要

令和 4 年度

京都大学化学研究所 スーパーコンピュータシステム 利用報告書
多官能基性化合物の位置選択的分子変換

Site-Selective Molecular Transformation of Multi-Functionalized Compounds
京都大学化学研究所 精密有機合成化学研究領域

上田 善弘

研究成果概要
水酸基のシリル化は多段階合成に欠かせない代表的な保護法の一つである。これは、シリ
ル基の嵩高さを利用して立体的に空いた水酸基への選択的シリル化が容易であることに加え、
他の保護基と区別した選択的脱保護が可能なためである。一方で、立体環境の類似した水酸
基を識別してシリル化する方法はほとんど存在しない。本研究では、独自の有機分子触媒を
活用することで、周辺環境の類似したアルコールを区別してシリル化する方法論を開発した。
スルホニルアミド基で保護した 1,5-アミノアルコール誘導体 1 と 1,3-アミノアルコール誘導体 2
は反応性の類似した第一級水酸基を持つが、触媒 C1 存在下で競争的シリル化を行うと、1 が
2 に比べて 60 倍早くシリル化されることがわかった (Scheme 1)。この官能基間距離認識機構
について知見を得るべく、触媒と基質の複合体解析を行なった。触媒 C1 と 1 あるいは 2 との
複合体について、MacroModel による配座探索で算出された最安定配座を初期構造として、
DFT (B3LYP-D3/6-31G(d,p)) による構造最適化によって得られた構造を Figure 1 に示した。
計算結果から、スルホニルアミド基と水酸基との距離が触媒の官能基間距離にフィットするか
否かで、シリル化の反応速度が大きく影響を受けることが示唆された。以上の結果から、世界
で初めて第一級アルコールの基質選択的シリル化を達成することができた。
H
N
S
O O

Ar

OH
1
+

H
N
S
O O 2

Ar

OH

C1 (5 mol%)
R3SiCl (0.55 equiv)
PEMP (1.0 equiv)
solvent, −60 °C, 14 h

Ar = 2-CF3C6H4

H
N
S
O O

Ar

k1/k2 = 60

O

OSiR3
C8H17O

1-Si

H
N
S
O O 2-Si

H
N

N
O

+
Ar

H
N

OSiR3

O
OC8H17

O
N
C1

Scheme 1. Catalytic Substrate-Selective Silylation of 1,n-Aminoalcohol Derivatives

(a)

(b)
O
Ar
S O
Naph
MeO2C
2.801 Å N
H
O
HN
5.2 Å
N

N
Naph

6.4 Å

HN

H O
2.874 Å

O
Naph

O

S

2.890 Å H

N

2.874 Å

O
Ar

2.936 Å

O

4.9 Å

O

5.3 Å
CO2Me

N

N

H
2.936 Å

NH
O
CO2Me

Naph

NH
CO2Me

Figure 1. Molecular Modeling for Catalyst-Substrate Complexes. (a) 1 + C1 (b) 2 + C1

発表論文(謝辞あり)
Hashimoto, H.: Ueda, Y.; Takasu, K.; Kawabata, T. Angew. Chem. Int. Ed. 2022, e202114118. ...

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