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大学・研究所にある論文を検索できる 「ササゲの栄養成長期及び生殖成長期における乾燥ストレス応答に関する研究」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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ササゲの栄養成長期及び生殖成長期における乾燥ストレス応答に関する研究

江頭, 知穂 EGASHIRA, Chiho エガシラ, チホ 九州大学

2020.03.23

概要

本研究では、ササゲ(Vigna unguiculata L. Walp.)の乾燥耐性機構を解明するため、栄養成長期および生殖成長期において乾燥ストレス処理を設け、水分生理学的、形態学的および生化学的な解析を行った。

始めに、乾燥耐性の異なるササゲ 2 品種を用いて、栄養成長期における乾燥ストレス応答に関する調査を行った。乾燥ストレス処理により、両品種共に葉の光合成速度および相対水分量(RWC)は減少したが、その減少程度は耐性品種において小さかった。また、乾燥ストレス処理後の胚軸のRWC は、耐性品種において変化しなかったが感受性品種において減少した。しかしながら、乾燥ストレスによる胚軸の RWC の減少程度は葉に比べ小さかった。湿潤重量(TW)/乾燥重量(DW)比と NMR 横緩和時間(T2)も乾燥ストレスにより減少したが、この傾向は耐性品種よりも感受性品種でより顕著であった。さらに、乾燥応答に対して直接的な関係は不明であるが、胚軸の形態観察により複数種類の異形細胞が確認され、これらの結果は、ササゲは葉と胚軸において異なる乾燥ストレス応答を持つ可能性を示唆した。

次に、生殖成長期(子実肥大期)におけるササゲの乾燥ストレス応答について調査した。乾燥ストレス区において、土壌含水率の減少に伴い葉の光合成速度も著しく低下した。しかしながら、乾燥処理期間における種子重および収穫後の子実収量は処理区間において変化しなかった。乾燥ストレスにより、根、茎、葉柄、葉、花柄のデンプン含量は著しく低下した一方、子実内のデンプン含量は低下しなかった。また、乾燥ストレスによりデンプン含量の低下が著しかった葉において、αおよびβ−アミラーゼ活性の上昇が確認された。さらに、シンク器官(種子)では、液胞膜内在性のアクアポリンは乾燥ストレスの有無にかかわらず発現していたが、細胞膜内在性のアクアポリンは乾燥ストレス処理後 7 日目に強く発現していた。以上の結果は、ササゲの生殖成長期の乾燥ストレスにより、ソース器官における速やかな貯蔵デンプンの分解およびシンク器官におけるアクアポリンの発現など、一連の生理学的変化が乾燥ストレス下での子実収量維持に貢献していると考えられた。

以上のことから、ササゲは、乾燥ストレスに対応するため、複数の戦略を駆使して生存を図っていることが示唆され、これらの乾燥適応戦略を利用した他のマメ科作物への応用展開が期待される。

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