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日本語要旨
北海道石狩地方における著者らが行った7箇所のボーリング調査地点の花粉・胞子組成図、柱状図、
現生森林植生、土性調査結果をもとに古植生から現生森林植生への流れ、森林植生の成立の要因、森
林植生の連続性を考察した。
石狩地方西部の海抜600 m余の中山峠は1300万年前にはイヌブナ、ブナをはじめスギ、ツガ属、メ
タセコイアなどの暖温帯性の樹種が出現し、現在も見られるトウヒ属、モミ属の常緑針葉樹、コナラ
属、カバノキ属、ハンノキ属、ニレ属、オニグルミ、クマシデ属、ハシバミ属といった落葉広葉樹の
種属も出現した。第三紀中期中新世の1300万年前は上述した暖温帯性の樹種がみられたほか、同時に
これ以降現在の森林植生に繋がる常緑針葉樹、落葉広葉樹も出現した。
古植生や現生森林植生の成立や推移についてみると、石狩地方における最も新しい14C年代測定値
888 calADまでの7箇所のボーリング調査地点の試料から、200万年前以降の森林植生は火山活動に伴い
出現したテフラ堆積地に広がり、種子分散様式から風力散布樹種に鳥獣散布樹種が加わり多様な現在
の現生森林植生に至ったと考えられた。
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