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大学・研究所にある論文を検索できる 「Factors of the Reproductive Life Plan for Married and Employed Women Considering Having Children」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Factors of the Reproductive Life Plan for Married and Employed Women Considering Having Children

アンガホッファ 司寿子 東北大学

2020.09.25

概要

【背景】日本の女性の第 1 子出産年齢の平均は 30 歳を超え、先進国のなかで 3 番目に高い。生殖年齢にある既婚女性のほとんどが子どもを希望するなか、妻が 30 代の夫婦で子どものいない割合は 13%に及ぶ。女性にとって 30 代はキャリア面で充実する時期であり、同時に妊孕性が低下する時期でもある。妊娠の先延ばしにより、高齢妊娠による合併症リスクや不妊により希望の生殖ゴールが達成されない問題が生じる。このことから、30 代有職既婚女性が希望する生殖ゴールを達成するためには、先延ばしに影響する生殖ビジョン・キャリアビジョンの両方をもとにし、〔妊娠の意図〕〔妊娠に向けた行動〕と段階的プロセスで捉えたリプロダクティブライフプラン(RLP)の支援が重要である。しかし、これまでこの〔妊娠の意図〕〔妊娠に向けた行動〕両方に影響する要因の違いは明らかになっていない。

【目的】本研究の目的は、子どもを希望する 30 代の有職既婚女性における生殖・キャリアビジョンに関する各々の項目が、〔妊娠の意図〕と〔妊娠に向けた行動〕という女性の RLP にどのように影響するか明らかにすることとした。

【方法】子どもを希望する 30 代有職既婚女性を対象にオンラインによる横断的調査を実施した(研究期間 2017 年 6~7 月)。質問紙は「妊孕性の知識」「子どもを持つことに関する意思決定」で構成する〔生殖ビジョン〕、「現在の雇用状況」「将来の妊娠出産との調整」で構成する〔キャリアビジョン〕、および〔妊娠の意図〕、〔妊娠に向けた行動〕の項目で回答を得た。妊娠のタイミングの考えである「あなたは今すぐ妊娠してもよいと思いますか」への回答の 4 項目について一元配置分散分析およびχ2 検定にて群間比較を行った。さらに〔妊娠の意図〕〔妊娠に向けた行動〕に影響する要因を明らかにするため、階層的ロジスティック回帰分析を行った。

【結果】分析対象は 496 名の女性で、平均年齢 34.5±0.8 歳、約半数(48.4%)が大学卒業以上の学歴であった。勤務時間は週 40 時間以上が 179 名(36.1%)、希望子ども数が 2 人以上の回答が 318 人(64.1%)を占めた。ロジスティック回帰分析の結果、〔妊娠の意図〕には、学歴が高いこと(Adjusted Odd Ratio: AOR 0.38[95% Confidence interval:95%CI0.15-0.94], p=0.037 )、不妊の心配があること( AOR 0.14[95%CI0.06-0.35], p<0.001)、自分が妊娠できると思う確率が高いこと(AOR 0.14[95%CI 0.03-0.76], p=0.022)、希望する子どもの数が 2 人以上であること(AOR 0.24[95%CI 0.09-0.67], p=0.006)、出産後の職場復帰の意向があること(AOR 0.22[95%CI 0.07-0.68], p=0.009)が関連しており、妊娠の時期を現実的に考えないリスクを下げていた。〔妊娠に向けた行動〕には、不妊の心配があること(AOR0.32[95%CI 0.16-0.63], p=0.001)、修正版カーディフ妊孕性知識尺度 (CFKS)スコアが高いこと(AOR0.53[0.30-0.94], p=0.029)、希望する子どもの数が 2 人以上であること(AOR0.29[95%CI 0.15-0.56], p<0.001)が関連しており、妊娠に向けた行動をとらないリスクを下げていた。しかし一方で、週の労働時間が 40 時間以上であること(AOR1.91[95%CI 1.00-3.63]、p=0.049)はリスクを上げていた。

【結論】本研究では、RLP である〔妊娠の意図〕と〔妊娠に向けた行動〕では、関連する生殖・キャリアビジョンの要因が異なることが明らかとなった。〔妊娠の意図〕には出産後の職場復帰の意向が、〔妊娠に向けた行動〕には妊孕性知識の高さや勤務時間が短いことが関連していた。以上より、将来に向けて妊娠の考えを持つことは〔妊娠の意図〕に関連するが、実際の〔妊娠に向けた行動〕を起こすためには現在の状況が影響することがわかった。30 代女性の妊娠の先延ばしを防ぐには、生殖・キャリアビジョン両方を考慮した RLP の支援システムの構築が求められる。

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