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大学・研究所にある論文を検索できる 「地域一般住民における慢性腎臓病と気流制限の関連」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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地域一般住民における慢性腎臓病と気流制限の関連

鈴木 奈都子 山形大学

2020.03.31

概要

背景:慢性腎臓病(CKD)および慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、生命予後へ影響を与える危険因子として知られている。本研究では、CKD と COPD の関連性と地域住民の予後への影響を調査した。

方法:山形県高畠町で 40 歳以上の健康診断に参加した 1233 人を対象とした。 CKD は推定糸球体濾過率(eGFR)< 60 mL/ min/ 1.73m2、または定性蛋白尿 1+以上と定義した。クレアチニン(Cr)から算出される eGFRcr と、シスタチン C(cys)から算出される eGFRcys を用いて解析を行い、eGFRcr<60 または定性蛋白尿 1+以上を CKDcr、eGFRcys<60 または定性蛋白尿 1+以上を CKDcys と定義した。COPD の代用として気流制限を使用した。気流制限はスパイロメトリーで一秒率 70 %未満と定義した。10 年間の追跡期間において CKD と気流制限の関連性、および死亡率への影響を分析した。

結果:CKDcr および CKDcys の有病率は、それぞれ 9.6 %および 17.2 %であった。気流制限の有病率は 11.1 %であった。 気流制限の有無で CKD の有病率を比較したところ、CKDcys 有病率は気流制限が無い群よりも気流制限がある群で有意に高かった(気流制限あり群 26.1 %、気流制限無し群 16.2 %、P <0.01)。対照的に、CKDcr 有病率は気流制限が無い群と気流制限がある群の間で差はなかった(気流制限あり群10.9 %、気流制限無し群 9.4 %、P =0.58)。 さらに CKD の重症度と気流制限重症度との関連を調べたところ、気流制限がより重症になると CKDcr と CKDcys の有病率が増加することが明らかとなった(P for trend <0.01)。CKDcys と気流制限両者を合併することが全死亡へ与える影響を調べるため Cox 比例ハザード分析を実施した。交絡因子で調整したハザード比は、CKDcys と気流制限どちらも無い群を基準とした場合、CKDcys のみ有群で 1.45(95%CI 0.77-2.63)、気流制限のみ有群で 1.29(95%CI 0.60-2.54)、CKDcysと気流制限どちらも合併する群で 2.94(95%CI 1.33-6.12)であった。

考察:COPD 患者において炎症は肺局所だけでなく全身性に認められる現象である。全身性炎症が直接腎臓に与える影響だけではなく、全身性炎症が心血管疾患や糖代謝異常などを惹起することで間接的に腎臓へ与える影響、双方の影響により COPD、CKD 合併例が発症しやすくかつ生命予後不良であるとの結果を引き起こしたと推測する。

結論:この研究は、気流制限と CysC を使用して腎機能評価した CKD(CKDcys)が合併する可能性が高く、気流制限と CKD の合併が地域住民の死亡率と有意に関連していることを示した。

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