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大学・研究所にある論文を検索できる 「脊髄損傷におけるRIPK3阻害薬dabrafenibの神経保護作用の検討」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

脊髄損傷におけるRIPK3阻害薬dabrafenibの神経保護作用の検討

村上, 大史 東北大学

2023.03.24

概要

(書式18)




位 論 文 要 約
A b s t r a c t )

博士論文題目 Title of dissertation
脊髄損傷における RIPK3 阻害薬 dabrafenib の神経保護作用の検討

東北大学大学院医学系研究科医科学専攻
外科病態学講座
氏名 Name

整形外科学分野
村上

大史

背景:Necroptosis は、非 apoptosis 型プログラム細胞死であり、近年注目されている。Necroptosis の発現

は、主に receptor-interacting protein kinase 3(RIPK3)により惹起される。最近の研究から、脊髄損傷後
の二次損傷にも necroptosis が関与していることが明らかになってきた。
Dabrafenib は悪性黒色腫をはじめ、
非小細胞肺癌、大腸癌、甲状腺癌に対して臨床応用されている B-RAFV600E 阻害剤である。最近、dabrafenib
が RIPK3 の抑制効果を持ち、様々な疾患モデルにおいて necroptosis を抑制し、組織障害を減少させること
が報告された。マウス脊髄損傷モデルでも、necroptosis の減少による損傷脊髄内のニューロンの脱落の軽減
が報告されている。しかし、この dabrafenib のオリゴデンドロサイトや神経軸索に対する二次損傷抑制効果
は未だ十分解明されていない。また、dabrafenib が損傷脊髄内の炎症反応や apoptosis を抑制するか否かは不
明である。
目的:マウス脊髄損傷モデルを用いて、dabrafenib 投与がオリゴデンドロサイトおよび神経軸索の二次損傷を
抑制して運動機能を改善するか否かを検討した。更に dabrafenib 投与による損傷脊髄内の炎症反応と apoptosis
の抑制効果の有無を検討した。
方法:MASCIS impactor を用いてマウス胸髄損傷を作成した。損傷後 4、24、48 時間に dabrafenib を経口
投与した dabrafenib 群と、溶媒のみを投与した対照群で以下の項目を比較した。脊髄損傷後の急性期におけ
る RIPK3 抑制効果の評価として、損傷後 3 日の脊髄組織を用い、RIPK3 の発現を RIPK3 免疫組織化学染色
とウエスタンブロットにより評価した。脊髄組織障害を評価するために、損傷後 42 日の脊髄組織を用いて
Luxol fast blue 染色による残存白質面積の評価を行い、神経系細胞の成熟・分化に関わる転写因子 Sox-10 で
オリゴデンドロサイトの細胞数を、セロトニン(5-HT)の免疫組織化学染色によってセロトニン作動性軸索
数を評価した。損傷後 3 日の脊髄組織の炎症反応の評価として、好中球のマーカー蛋白 Myeloperoxidase
(MPO)および腫瘍壊死因子(TNF-α)の免疫組織化学染色を行い、好中球の細胞浸潤と炎症性サイトカイ
ンを評価した。また TUNEL 染色を用いて apoptosis 型の細胞死を評価した。損傷後 42 日間の運動機能を
Basso Mouse Scale(BMS)score、beam walking test、ladder rung walking test で評価した。
結果:損傷後 3 日目の脊髄における RIPK3 の発現は対照群に比べて dabrafenib 群で有意に少なかった。損
傷後 42 日目の脊髄における Luxol fast blue 染色では、dabrafenib 群で脊髄切片全体に対する白質面積の割
合が大きかった。Dabrafenib 群で Sox-10 陽性細胞数が有意に多く、5-HT 陽性軸索の immunodensity が有
意に高かった。また、MPO 陽性細胞数が有意に少なく、TNF-αの immunodensity が有意に低かった。TUNEL
陽性細胞数は、両群間で有意差はなかった。Dabrafenib 群の運動機能は、BMS score が有意に高く、beam
walking test、ladder rung walking test でも、dabrafenib 群で有意な改善がみられた。
考察: マウス脊髄損傷モデルの急性期における dabrafenib 投与は、RIPK3 の発現を抑制して、損傷脊髄の

オリゴデンドロサイトとセロトニン作動性軸索の傷害などの二次損傷を抑制した。Dabrafenib 投与による
1

(書式18)
apoptosis の抑制効果はみられなかったため、
オリゴデンドロサイトの necroptosis が減少した可能性がある。
さらに、損傷脊髄内の炎症性細胞浸潤とサイトカインの発現を抑制し、脊髄損傷後の運動機能を改善させた。
Dabrafenib は脊髄損傷に対する有効な治療薬になることが期待できる。 ...

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