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大学・研究所にある論文を検索できる 「若年労働者における援助希求行動と心理的苦痛:わが国における無作為抽出サンプルを用いて (第137回成医会総会一般演題)」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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若年労働者における援助希求行動と心理的苦痛:わが国における無作為抽出サンプルを用いて (第137回成医会総会一般演題)

山内, 貴史 須賀, 万智 柳澤, 裕之 東京慈恵会医科大学

2020.11.15

概要

【目的】
 長時間労働や業務ストレスによる若年 労働者のメンタルヘルス不調を予防するうえで, 援助希求行動(help-seeking behavior)の促進は産 業保健における重要課題となっている.しかしな がら,多様な職種の代表性を保持した労働者サン プルを用い,援助希求行動とメンタルヘルスとの 関連を年齢別に検討した疫学研究は国内外で報告 されていない.本研究では,層別無作為抽出法に よる国民生活基礎調査の目的外使用を申請し,援 助希求行動と心理的苦痛との関連を年齢別に検討 した.

【方法】
 2016年国民生活基礎調査の対象者 のうち,20 ~59歳の労働者で,1つ以上のストレッ サーを報告した70,927人を本研究の分析対象と した.心理的苦痛の指標にはKessler Psychological Distress Scale を用いた.援助希求行動と心理的苦 痛との関連を分析するため,労働時間,職種,睡 眠・飲酒状況などの職務・生活要因の影響を調整 した多変量ロジスティック回帰分析を行った.

【結 果】
 援助希求行動のある労働者の割合は,20 ~ 39歳で77.3%,40 ~ 59歳では69.5%であった. 一方,強い心理的苦痛を報告した労働者の割合は, 20 ~ 39歳では9.0%,40 ~ 59歳では6.0%であっ た.20 ~ 39歳の労働者では,家族,友人・同僚 への援助希求行動は多いものの,公的機関や医療 従事者などの専門職への援助希求行動は有意に少 なかった.多変量ロジスティック回帰分析の結果, 援助希求行動のない労働者(「相談したいができ ないでいる」「相談したいがどこに相談していい か分からない」など)は,20 ~ 39歳で1.9倍(95% 信頼区間:1.6~2.0倍),40~59歳では1.6倍( 95% 信頼区間:1.4 ~ 1.7倍)多くの者が強い心理的 苦痛を報告した.

【結論】
 本研究の結果から,若年労働者においては,ニーズを自覚しながらも援 助希求できていない者の行動変容を促進すること の重要性が示唆された.また,若年労働者は中高 年層よりも公的機関や医療従事者などフォーマ ル・リソースへの援助希求が少ないことから,適 切な支援へのつなぎという視点からの援助希求行 動の促進が望まれる.

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