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大学・研究所にある論文を検索できる 「Aurora Aの2つの活性がOLA1のユビキチン化を制御して中心体数をコントロールする」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Aurora Aの2つの活性がOLA1のユビキチン化を制御して中心体数をコントロールする

方 震宙 東北大学

2021.03.25

概要

BRCA1(Breast Cancer 1)は、BARD1(BRCA1-associated RING domain 1)とヘテロダイマーを形成し、DNA修復や中心体制御に関わるがん抑制分子である。当研究室でBRCA1の新規結合分子としてOLA1(Obg-like ATPase 1)を同定した。これまでの解析で、OLA1がBARD1に加え、BRCA1とも直接結合し、乳腺由来細胞での発現抑制や過剰発現が中心体数の増加を引き起こすことが明らかになり、OLA1の発現量の制御が中心体制御に重要であることが明らかになっている。一方、Aurora Aは中心体に局在する分裂期キナーゼで、様々ながんでその発現異常が報告されており、中心体の複製や分離などに機能し、過剰発現は中心体数の増加が引き起こす。また、Aurora AはE3ユビキチンリガーゼ活性を持つことも報告されている。そこで本研究では、Aurora AによるOLA1のユビキチン化による発現量の制御による中心体の制御機構について解析し、Aurora AとOLA1の機能破綻による発がんメカニズムを解明することを目的とした。

 Aurora AがOLA1に直接結合すること、Aurora AがE3ユビキチンリガーゼとしてOLA1をK98残基とK169残基でユビキチン化し、ユビキチン化されたOLA1がプロテアソームを介したタンパク質の分解を起こされることが明らかにした。また、OLA1は細胞周期を通して中心体に局在するが、G2期では著しく減弱し、T124残基の脱リン酸化型のT124A変異体ではOLA1のユビキチン化が減弱するが、疑似リン酸化型のT124E変異体では著しく亢進すること、野生型OLA1と比べて、G2期にT124A変異体の中心体の局在が著しく増強することが明らかになった。よって、Aurora AによるOLA1のユビキチン化はG2期に行われ、T124残基がAurora AによるOLA1のユビキチン化に重要と考えられた。一方、リン酸化予測サイトNetworKINでT124残基のリン酸の候補キナーゼであるNEK2(Never in mitosis gene A-related kinase 2)の共発現によりNEK2のキナーゼ活性に依存してユビキチン化が亢進し、NEK2がOLA1をリン酸化することから、NEK2がOLA1をリン酸化して、Aurora AによるOLA1のユビキチン化を制御することが示唆された。最後に、Aurora Aのキナーゼ活性がOLA1のユビキチン化には抑制的に働くことが明らかになった。

 本研究により、Aurora AのE3ユビキリンリガーゼ活性とキナーゼ活性の2つの活性とNEK2キナーゼがOLA1のユビキチン化を制御し、G2期の発現量の減少を引き起こすことが明らかになり、これらの機能破綻が中心体数の増加を引き起こすことが示唆された。今後、Aurora Aによるユビキチン化の中心体の制御機構がさらに解明され、新しいがんの治療法の開発に繋がることが期待される。

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