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書き出し

難産避けるには選別精液の活用が有効 : 未経産牛への黒毛和種交配による難産回避効果は疑問

萩谷 功一 帯広畜産大学

2020.10.23

概要

難産避けるには選別精液の活用が有効 : 未経産
牛への黒毛和種交配による難産回避効果は疑問
著者
雑誌名


ページ
発行年
URL

萩谷 功一
デーリィマン
70
9
92-93
2020-09
http://id.nii.ac.jp/1588/00004662/

3


未経産牛への黒毛和種交配による難産回避効果は疑問
帯広畜産大学生命・食料科学研究部門准教授

ホルスタイン産子と比べ、 黒毛和種とホ

表1

たため、 ホルスタイン産子とF1産子閤に

比率は経 産 牛 で10

高いが、 この傾向は過去から近年

27%、初産牛で39

までそれほど大きく変化していな

~50%であることから、 未経産

い。 このことから、 現在でも未経

牛への交配に黒毛和種が多く利用

産牛の交配相手として難産を避け

録である。牛群検定では難

20,000

産の程度を5区分のスコア

10,000

で表しているが、 本調査で

0



よる遺伝評価基準に準じ、

娩、 スコア3



5を難産と

した。
初産牛は成牛になる前に

92

叩MA

01 02 03 04 05 06 07 08

る目的で黒毛和種種雄牛が多く交
配されていることが分かる。

ホルスタイン産子は
難産率が大きく低下
01年におけ る初産分娩の難産
2001 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 年
分娩年

率は、 産子がホルスタイン 雄で
15%、 ホルスタイン 雌で10%、
F1で、5 %程度と、 ホルスタイン

の難産率は横ばし、だった c 17 年

100,000

多い。産子の品種・性別の
推移について、 初産牛を図

0

250,000

経産牛への交配では、 難産
種雄牛が選択されることが

分娩に対する難産割合の推 i

産子よりF1産子が低かった(図

べ難産が多い。そのため未
を避ける目的で黒毛和種の

2001 02 03 04 05 06 07

頭 図2 各品種同性別の産子数の推移(経産牛)
350 『 000
掴圃ホ1レ雄亡コホyレ雌璽璽F1雄堅翠F1雌
300 う 000

産 200,000

数150,000

分娩するため、 経産牛と比

構鑑識園 鶴

脚画@圏

2

と比較し、 初産牛で、 F1の比率が

50,000

ホルスタイン雌牛の分娩記

し、 スコア1と2を通常分

数人を必要とした難産
外科的処置または母牛死亡

0

留盟 趨魁銀協時� 鍾語翻騒動路橋

3



子40,000
数 30,000

表1に示した通り2区分と

2 ~ 3人を必要とした助産

60,000

うち、 2001年から18 年ま

は日曲家畜改良センタ

通常分娩
通常分娩
難産
難産
難産

難産 割 合

は、 全国の牛群検定記録の



自然分娩
ごく軽い介助

頭図1 各品種・性別の産子数の推移(初産牛)
80,000
圃・ホル雄亡コホル雌盤調F1雄区llF1雌
70,000



でに分娩した約580万頭の

調査での扱い

に示した。F1産子の


調査 に使用したデ

牛群検定における目安

されていることが分かる。経産牛

交配について考えてみたい白



働鍵軸喝脇 @臨留置

1に、 経産午を図2

難易の推移を見ながら難産を避けるための

初産牛は経産牛より
F1産子の比率が高い

5

4

難産率の遣いがなくなったo そこで、 分娩



3)。その後、 ホルスタイン産子
の難産率は低下した が、 F1産子
の難産率はホル雄、 F1 雄産子が
し、ずれも6%、 Fr雌が4%、 ホ
jレ雌が3%で、 性別にかかわらず
表2

50,000
0

f
nu

は分娩が容易になる方向へと改良されてき


産 10

三』

4


交配する例が多い。しかし、 ホルスタイン

15

%6 5

1 2 3 45

ため、 ホルスタイン未経産牛に黒毛和種を



圃圃園田ホ)\.

分娩難易の区分
スコア

ルスタインによるF1産子は分娩が容易な

萩谷

』___..

以川口u
t qρ

難産避けるには選別精液の活用が有効

分娩に対する難産割合の推

分娩難易の遺伝的能力評価値の
娘牛難産率

2001 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 年
分娩年

対象
利用目的

産子の母

牛群全体の分娩難易改

活用が有効

母体と交配相手である種雄

%図3 分娩に対する難産割合の推移(初産牛)

20

司避効果は疑問

圃幽圃ホル雛

圃圃圃圃ホル雄

噛隅盟臨

F1 雄

鞠欄噛ド

牛の双方が直接関与する点

I雌

で他の形質と異なる。 遺伝
的能力評価では、 母体側の

15

遺伝的能力を「娘牛難産率」、



教授萩谷

功一

産 10

産子に対する種雄牛の遺伝

I=!

的能力を「産子難産率Jと呼


L'>.

んでいる(表2)。 牛群全体



調査での扱い

ける目安



通常分娩

干助

通常分娩

とした助産

娘牛難産率の低い種雄牛を
2001 02

03

04

06

05

07

11

09 10
分娩年

08

13

12

16

15

14

18年

17

選択する必要がある。 そし
て、 未経産牛の交配相手に

難産
難産

jま母牛死亡

難産

%図4
6

ホル雄

輔圃・ホJレ雌

F1雄

園嘩艶噛

F1Jlt世

伝率が 高 い形質 ではない、
つまり l 世代で大きな変化

3

を期待できる形質ではない 口

2

この傾向は過去から近年

難産都合

比較し、 初産牛で F1 の比率が


園田E

が望ましい。 分娩難易は遺

4

れていることが分かる。 経産牛

は産子難産率の低い種雄牛

分娩に対する難産割合の推移(経産牛)

5

した難産

iいが、

の分娩難易を改良するには、

そのため、 娘牛難産率と産
子難産率の情報を活用し、

でそれほど大きく変化していな
b

。 このことから、 現在でも未経

:牛の交配相手として難産を避け



牛群全体の分娩難易を改良
02

01

03

04

05

06

07

08

12

13

14

15

16

17

18年

11

12

13

14

15

16

17

しな がら、 未経産牛の交配

18年

相手を適切に選択していく
ことで難産を回避できる確

る目的で黒毛和種種雄牛が多く交

ホルスタイン産子の難産率が大き

配されていることが分かる。

く低下したことが分かる c この傾

ホルスタイン産子は
難産率が大きく低下

11

09 10
分娩年

率が高まる 0

<>

<>

<>

向は、 経産牛についても同様であ

今回の調査は、倣)家畜改良セン

る(図4)。 現在では、 難産を避け

タ ー より遺伝的能力評価用に集計

る目的で未経産牛に黒毛和種を交

された分娩難易記録、( 一 社)ジェ

配しても品種の違いによる効果は

ネティクス北海道より種雄牛略号

01年における初産分娩の難産

期待できない。 初産における産子

の情報をそれぞれ提供していただ

率は、 産子がホルスタイン雄 で

が雄である場合と比較し、 雌産子

いて取り組んだ黒宮歩氏の卒業研

15%、 ホルスタイン 雌 で10%、

の難産率が2

3釘低い ことか

究(2020)の 一 部である。 調査に

F1で、 5%程度と、 ホルスタイン
産子 よ り F1 産 子 が 低 かった(図

ら、 難産を避けるには雌雄選別済

協力を頂いた方々に感謝申し上げ

み精液の使用が有効である。

る。



3) 口 その後、 ホルスタイン産子

の難産率は低下したが、 F1 産子

娘牛難産率の活用を

の難産率は横ばし E だった。 17年
の難産率はホル雄、 F1 雄産子 が

pずれも6%、 F1 雌 が4%、 ホ

ル雌が3%で、 性別にかかわらず
表2

11

12

13

14

15

16

17

18年

プロフィル
はぎや

乳量をはじめとした多くの経済
形質の遺伝的改良は雌牛の能力を
対象としているが、 分娩難易には

分娩難易の遺伝的能力評価値の種類と利用目的
娘牛難産率

産子難産率

対象

産子の母

産子の父

利用目的

牛群全体の分娩難易改良

主に未経産牛の難産回避

こういち

1970年生まれ、札幌市出身。 93年
帯広畜産大学畜産学部家畜生産学科
卒業。 94 ~98年附十勝家畜人工授
精所入り、 この問、帯広畜産大学大
学院修了、 98 ~2001 年岩手大学連
合大学院連合農学研究科修了、 同年

制日本ホルスタイン登録協会北海道

支局入り。 ...

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