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大学・研究所にある論文を検索できる 「Fabrication of Si/Graphite Sheet Composites and Application as an Anode for Lithium Ion Batteries」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Fabrication of Si/Graphite Sheet Composites and Application as an Anode for Lithium Ion Batteries

Choi, Jaeyoung 大阪大学

2021.03.24

概要

Siは黒鉛(372 mAh/g)の約10倍(3578 mAh/g)の理論容量をもち、次世代高容量Liイオン電池の負極材料として研究されている。しかし、SiはLiと反応する時、Siの体積が約4倍変化し、この時の応力でSiが破壊し、容量が低下するだけでなく、低いイオン伝導性と導電性の欠点もある。そこで、約150 nm以下のSi粒子を用い、特性劣化を緩和する研究が多くされている。しかし、従来のSiナノ粒子の作成方法にはシランガスを用いた化学気相堆積(CVD)法などがあるが、高コストで1グラム当たり数百円もする。さらに、導電性を改善するため、エチレン中で加熱しSi表面に約10 nmの厚さで炭素コート(CコートSi, Si:C=10:1)する方法も高価で凝集しやすい問題がある。本研究では、産業廃棄物であるSi切粉を粉砕し、安価なフレーク状のSiナノ粒子(5円以下/g)を、新たに3~50原子層から成るシート状の黒鉛で内包する構造をもつSi/黒鉛シート(GS)複合体を創製し、リチウムイオン電池の負極材料に利用した。
 Si切粉を擂潰機で粉砕し、フレーク状のSiナノ結晶粒子を作製した。このSiナノ粒子と膨張化黒鉛をエタノールやN-メチル-2-ピロリドン(NMP)中で分散させ、ろ過し、重量比1:1または5:1のSi/GS複合体(理論容量:1980または3044 mAh/g)を作製した。Si/GSの複合体、導電助剤、CLPA (cross-linked poly-acrylic acid)とPVA (poly-vinyl alcohol)バインダーを6:2:1:1の比で混合し、Cu箔に塗工して乾燥した後、電極とした。対極にLi箔、電解液にFECを10 wt%添加した1M LiPF6のEC/DEC=1:1溶液を用いて、CR2032コイン電池を作製した。
 Si/GS電極の300サイクル目の放電容量は、1273 mAh/gで、高価なCコートSi電極よりも14%高かった。安価でもサイクル特性が良かったSi/GS電極の反応メカニズムを解明するために、電極構造を観察した。Fig.1はSi/GS電極の断面のTEM像を示している。(a)の白線で囲んだ厚いGSの間に格子縞が観察された(b)。黄線内とその周りの格子縞間隔がそれぞれ、0.314 nmと0.335 nmであることから、SiとGSに帰属できる。この結果は、約5 nm厚の極薄GSがSiを内包し、さらにこれを厚いGSが内包する二重内包構造であることが分かった。この内包構造は300サイクル後でも、厚いGSがframe workとして機能することで、Si粒子が分散された状態を維持し、電極表面積の減少が抑制され、Siの合金化反応での抵抗(Rct)の増加が抑制されたと考えられる。これに対して、CコートSi電極は300サイクル後、Siが融着したため、電極の表面積が大きく減少し、Rctが大きく増加したと考えられる。
 Si/GS電極のSiの合金化反応とSEI中のLiイオンの拡散の活性化エネルギーのサイクル依存性を検討するため、6、100および300サイクル後に、0.01 Vまで十分に充電し、10~60℃でインピーダンスを測定し、等価回路を用いてフィッティングを行い、Rs、RSEIおよびRctを求めた。アレニウスプロットでは、各プロットが直線上にのり、この傾きから活性化エネルギー(Ea)を求めた。Fig.2はSiの合金化反応の活性化エネルギー (Ea,ct)とSEI中のLiイオンの拡散の活性化エネルギー(Ea,SEI)のサイクル diffusion of Li in SEI of the Si/GS依存性を示す。緑色のプロットで示されたEa,ctは充放電サイクルによって0.509 eVから0.423 eVまで低下し、この結果はサイクルによって結晶Siがアモルファス化したためと推測される [1]。これに対して、青色のプロットで示されたEa,SEIは充放電サイクルによって0.404 eVから0.464 eVまで増加した。この結果は、充放電サイクルによって、Liイオンの拡散の活性化エネルギーが低いと報告 [2] されている LiF/Li2CO3界面が減少したためと考えられる。

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