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大学・研究所にある論文を検索できる 「ジゴキシンの臨床薬理学的研究:腎機能と血中濃度の関係 (第137回成医会総会一般演題)」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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ジゴキシンの臨床薬理学的研究:腎機能と血中濃度の関係 (第137回成医会総会一般演題)

堺, 将弘 平井, 利典 設楽, 敏 志賀, 剛 東京慈恵会医科大学

2020.11.15

概要

【目的】
 ジゴキシンは収縮不全の心不全患者に対して心不全入院を減らす目的で用いられる.ジゴキシンは腎排泄率が70% と高く,有効血中濃度と中毒域がとても近いことから,腎機能障害がある患者についてはジギタリス中毒が発生しやすい.心不全患者では十分な腎血流量が保持できず腎機能が低下している例が多い.今回,ジゴキシンを服用している心不全患者を対象に血中濃度と関連が高い腎機能の指標は何か,また腎機能が低下している患者に対してどのように用量調整をすべきかについて検討した.

【方法】
 心房細動を伴う日本人心不全患者を対象とした既存の論文(JpnJ Clin Pharmacol Ther 2020; 51(2):57-64)で用いたデータベースからジゴキシンの通常用量として最も使用される0.125 mg 1日1回の投与を受けていた188例について,血清ジゴキシン(トラフ)濃度と血清クレアチニン値(Cr),推算糸球体濾過値(eGFR),クレアチニン・クリアランス(Ccr)との関係をみた.P 糖蛋白阻害薬を併用している患者は除外した.Ccr は,Cockcroft-Gault 計算式を用いて算出した.

【結果】
 血中ジゴキシン濃度とCr,eGFR,Ccr との関係をみたところ,Ccr と血中濃度に最も相関が認められた(R=0.19,R=0.25, R=0.27).特にジギタリス中毒のリスクが高いとされる血中ジゴキシン濃度≧1.5 ng/ml であった患者は,Ccr ≦66.5 ml/ 分の患者から認められ,Ccr <50 ml/ 分の患者群で多かった.このため,腎機能低下例における至適用量を導くために補正係数をGiusti-Hayton の式から算出すると,Ccr 50 ml/ 分では0.59,Ccr 30ml/ 分では0.46であった.これより,Ccr <50 ml/ 分の患者にはジゴキシンを0.0625 mg 1日1回,または0.125 mg 2日に1回という投与設計が提案された.

【結論】
 今回の結果からジゴキシン(0.125mg 1日1回)を服用している心不全患者において血中濃度と関連が高かった腎機能指標はCcr であった.とくにCcr<50 ml/ 分の患者では高血中濃度となる例が多く,初期投与量を0.5倍に減量することが望ましい.

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