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大学・研究所にある論文を検索できる 「通所施設における看護職の知的障害者への援助につなげる配慮」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

通所施設における看護職の知的障害者への援助につなげる配慮

伊藤, 佳美 東北大学

2023.03.24

概要

(書式18)




位 論 文 要 約
A b s t r a c t )

博士論文題目 Title of dissertation
通所施設における看護職の知的障害者への援助につなげる配慮

東北大学大学院医学系研究科保健学専攻
基礎・健康開発看護学講座
氏名 Name

看護管理学分野
伊藤

佳美

〈目的〉
障害者の通所施設で働く看護職の役割として,利用者の健康の増進や疾病を予防する役割が強調されてき
た.通所施設は利用者に必要な介護や日中活動を提供する場であり,自宅などから通って来るため,看護職
は自宅での介護者への配慮が求められている.通所施設で働く看護職の実践は,医療的な知識に基づく判断
や介入に焦点が当てられているものの,その前提となる利用者との関係性の構築や特性を把握し,それに配
慮した援助については明らかにされていない.よって,本研究の目的は,障害者の通所施設で働く看護職は
利用者を援助する際,どのような配慮をしているかを明らかにすることである.
〈方法〉
本研究では,研究方法論として現象学的研究を用いた.データ収集方法は,障害者の通所施設の 1 つであ
る生活介護事業所で働く看護職を対象とし,1 日の参加観察を行った後,2 または 3 回のインタビュー調査
を行った.研究目的に沿った分析とするため,3 つの分析の視点を設定して,分析を行った.その視点は,
1 つ目は,通所施設で働く看護職は利用者を理解する際,どのような配慮をしているか,2 つ目は,利用者
を取り巻く他者に対してどのような配慮をしているか,3 つ目は,利用者の状態や状況の理解をもとに援助
する際,どのような配慮をしているか,である.
〈結果〉
研究参加者 6 名のデータを分析した結果,7 つのテーマが生成された.看護職は,利用者の【「できること」
を重んじる】ことと,
【些細な表出に対して心を配る】ことをしていた.利用者を取り巻く他者への配慮で
は,
【「母親」を気遣いつつ,看護職として譲れない部分を見極める】ことと,【支援員との間に頼り,頼ら
れる関係を作ろうとする】ことを行っていた.そして,看護職は利用者が楽しく過ごすことができるよう【看
護や医療の視点から楽しみを支える】
【利用者の気持ちの安定に気を配る】
【みんなが心地良い環境となるよ
う気を配る】という配慮が明らかになった.
〈考察〉
1

(書式18)
本研究で得られた結果から以下の 4 点について考察する.1 点目としては,看護職は利用者の健康維持に向
けて,利用者にとって最も負担や混乱の少ない方法を模索しており,援助方法の選択にあたっては母親への
気遣いを示しながら意向を最大限配慮していた.2 点目としては,看護職は利用者の身体的な表現を通して,
意思や希望を理解しようとし,さらに,看護職の身体的な表現を通して利用者に関心を寄せていることを伝
えようとしていた.3 点目としては,利用者が通所施設という集団で,互いに居心地よく過ごすための配慮
を行っていた.4 点目としては,看護職は通所施設で過ごす利用者全体を俯瞰的にみながら,利用者が地域
のなかで生活しているという視点から,時に指導的な関わりをしていたこと,支援員とともに活動に参加す
るという場を共有しながら,対応方針をすり合わせていたことが明らかになった.
〈結論〉
通所施設の看護職は利用者にとって最も負担や混乱が少なくなるように配慮することに加え,母親の意向
も配慮しながら援助方法を選択していた.このとき,看護職として利用者の健康を維持するために譲れない
一線を見極め,利用者の希望や母親の意向と折り合いをつけることの重要性が示唆された.さらに,看護職
と利用者との間身体的な交流を基盤として,看護職は利用者の訴えようとしていることを皮膚感覚的に捉え
理解しようとしていることに加え,利用者も看護職を皮膚感覚的に理解するという相互的な理解が成立して
いた.このような看護職と利用者との相互理解を基盤としながら,看護職は利用者個々への援助に加え,通
所施設という集団の場で過ごす人たち全体が居心地よく過ごすことができるように配慮することの重要性
が示唆された.

2

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