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新規な結合様式を持つ高周期典型元素化合物の反応解析

時任, 宣博 京都大学

2023.03

概要

令和 4 年度

京都大学化学研究所 スーパーコンピュータシステム 利用報告書
新規な結合様式を持つ高周期典型元素化合物の反応解析

Theoretical studies on the reactions of novel main group elements compounds
京都大学化学研究所 物質創製化学研究系 有機元素化学研究領域 時任 宣博
研究成果概要
本研究では、京都大学化学研究所スーパーコンピュータシステムの Gaussian 16 プログラム
を利用し、ゲルマニウム間三重結合化合物(ジゲルミン)のラジカルアニオン種 1 と水素置換基
およびアニオン電荷を有するゲルマニウム間二重結合化合物(ヒドロジゲルメニド)2 の構造・
性質に関しての検証を行った。
化合物 1 および 2 は、かさ高い置換基である Tbb 基によって安定化されたジゲルミン 3 と還
元剤であるカリウムグラファイトとの反応によって得られた。2 のような、水素置換基およびアニ
オン電荷を有する高周期 14 族元素間二重結合化合物であるヒドロジメタレニド化学種は、そ
の水素置換基が、結合の本質を評価する上で有効な最も単純なものであるという基礎化学的
な観点と、更なる分子変換の起点となり得るという応用的な観点で注目が集まっていたものの、
その例は、関口らにより報告されたケイ素類縁体ヒドロジシレニドに限られており、ヒドロジゲル
メニドの合成は報告されていなかった。
化合物 1 および 2 の構造は最終的に X 線結晶構造解析により決定した。ゲルマニウム間結
合長は、2.2991(1) (1)および 2.294(1) (2) Å と同程度であり、3 の 2.2222(7)/2.2408(7) Å(二
分子独立)に比べてわずかに伸長していた。化合物 1 および 2 のリアル分子を用いた構造
最適化を(U)B3LYP-D3/6-31+G(d,p)レベルにて行ったところ、その結合長は、それぞれ、
2.301 (1)、2.294 (2) Å となり、実測値を極めて良く再現していた。
また、上述の最適化構造を用いた化合物 1 および 2 のスペクトル的性質の評価も行った。化
合物 2 は、1H NMR スペクトルにおいて、Ge–H に帰属されるシグナルを 9.65 ppm と、通常の
Ge–H の ケ ミ カ ル シ フ ト に 比 べ 、 顕 著 に 低 磁 場 シ フ ト し た 領 域 に 与 え る 。
B3LYP-D3/6-311+G(2df,2p)レベルにおける GIAO 計算の結果、計算値は 8.21 ppm となった。
実測と計算値のずれは大きいものの、特徴的な低磁場領域にシグナルが観測された事実を
支持する。このずれは、本計算において、対カチオンおよび溶媒を考慮に入れていないため
であると考えている。加えて、紫外可視吸収スペクトルにおける吸収の帰属を TD-DFT 計算を
用いて行った。 ...

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