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大学・研究所にある論文を検索できる 「Inhibition of hypoxia-inducible factor hydroxylases in proximal tubules attenuates renal ischemia-reperfusion injury」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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Inhibition of hypoxia-inducible factor hydroxylases in proximal tubules attenuates renal ischemia-reperfusion injury

坂下, 碧 東京大学 DOI:10.15083/0002007006

2023.03.24

概要

[課程-2]
審査の結果の要旨
氏名 坂下 碧
本研究は、腎性貧血の新規治療薬として上市されたプロリン水酸化酵素阻害薬 (HIF-PH/
PHD 阻害薬) の急性腎障害における有用性を明らかにするため、タモキシフェン誘導性の
近位尿細管特異的 HIF-PH ノックアウトマウスを用いて、腎虚血再灌流 (ischemiareperfusion injury: IRI) 後の急性腎障害(AKI) とその後の慢性腎臓病への移行 (AKI-to-CKD
transition) に関して検討したものであり、下記の結果を得ている。
1. タモキシフェン誘導性の近位尿細管特異的 HIF-PH のノックアウトマウスである

Ndrg1CreERT2/+: Phd1flox/flox/Phd2flox/flox/Phd3flox/flox を用いた。同マウスにタモキシフェ
ン投与後、コントロール群と比して quantitative RT-PCR で Phd1、Phd2、Phd3 の発現
の低下と HIF-1 の下流遺伝子の発現上昇を確認した。一方、ヘマトクリットや EPO の
発現は上昇せず、造血能は変化がないことを確認した。
2. 上記マウスにおける HIF-1α 免疫染色にて近位尿細管の核特異的な陽性像を確認し、近
位尿細管特異的な HIF-PH のノックアウトができていることを確認した。
3. AKI における近位尿細管での HIF-PH の働きを調べるため、両腎の IRI 24 時間後のク
レアチニン・BUN の測定と腎組織の評価を行った。その結果、ノックアウトマウスで
は対照群と比して障害 24 時間後のクレアチニン上昇と BUN 上昇が抑制され、Periodic
Acid Schiff 染色における腎組織障害の改善を認めた。これらの結果から、IRI モデルに
おいて近位尿細管の HIF-PH 阻害が保護作用を持つことが示された。
4. AKI-to-CKD transition において近位尿細管における HIF-PH が果たす役割を検討するた
め、両腎の IRI 術後 4 週間での評価を行った。ノックアウト群は対照群に比してクレ
アチニンが有意に低下し、尿中アルブミンの上昇が抑制され、picro-Sirius red 染色によ
り評価した線維化の改善を認めた。
5. 上記の腎障害の軽減のメカニズムを探索するため更に組織学的評価を行い、ノックア
ウト群は対照群と比して障害 4 週間後の尿細管での Ki-67 陽性細胞数・リン酸化ヒス
トン H3 陽性細胞数が有意に増加しており、腎障害後の尿細管再生の亢進が腎機能の改
善に寄与した可能性が示唆された。
以上、本論文は近位尿細管における HIF-PH 阻害が EPO 産生能と独立した機序により
AKI と AKI-to-CKD transition での腎保護作用を持つこと、AKI 後の修復への関与の可能性
を新たに示した。これらの成果は今後 AKI-to-CKD transition の更なる病態解明に貢献する
と考えられ、学位の授与に値するものと考えられる。
よって本論文は博士( 医 学 )の学位請求論文として合格と認められる。

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