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大学・研究所にある論文を検索できる 「MRIによる位相分散を用いた脳脊髄液の新たな動態観察法に関する研究」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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MRIによる位相分散を用いた脳脊髄液の新たな動態観察法に関する研究

堀江 朋彦 東北大学

2021.03.25

概要

本論文は、magnetic resonance imaging(MRI)による位相分散を用いた脳脊髄液(cerebrospinal fluid : CSF)の新たな動態観察法に関する研究である。CSF の動態観察は、病態の診断や予後予測、外科的な治療介入の判断に使われており重要な情報である。MRI による CSF 動態観察法には、主に2つの手法がある。まず、phase contrast(PC)法の長所は定量評価が可能なこと、短所は長い撮像時間である。他の方法、time spatial labeling inversion pulse(Time-SLIP)法の長所は流れの向きが把握できること、短所は観察できる範囲と時間の制限、そして Tag パルス設定の煩雑さである。

本研究では、Improved Motion Sensitized Driven Equilibrium (iMSDE)法と steady-state free precession(SSFP)法を併用することで位相分散したCSF の動態を可視化するdynamic iMSDE SSFP 法を提案する。この dynamic iMSDE SSFP 法により、PC 法と Time-SLIP 法の問題点を克服し、CSF の動態を短時間に繰り返し撮像が可能なことを確認することが本研究の最終的な目的である。このため、以下の 4 つの研究から CSF の動態を可視化する新しい手法の開発を試みた。

研究 1 では、PC 法やTime-SLIP 法と同様に最も基本となる two-dimensional(2D)dynamic iMSDE SSFP 法を提案した。まず流体ファントムと生体による検討から 2D dynamic iMSDE SSFP 法の至適撮像条件と画像特性を明らかにした。次に東海大学医学部付属病院における臨床応用を通して、2D dynamic iMSDE SSFP 法の臨床的な有用性と課題を整理した。次に、研究 1 で明らかになった 2D dynamic iMSDE SSFP 法の課題を解決するために研究 2~4 を順次行った。研究 2 では、新たに脳全体の CSF の動態を可視化する three-dimensional(3D)dynamic iMSDE SSFP 法を提案し臨床応用が可能なことを確認した。研究 3 では、加速度流に鋭敏な acceleration sensitization motion sensitized gradients (AS-MSG)を用いて CSF の定常流と非定常流の分離描出が可能なことを確認した。最後に研究 4 では、時間分解能の向上により呼吸性 CSF 運動の描出が可能なことを確認した。

研究 1 で提案した 2D dynamic iMSDE SSFP 法は、PC 法の長い撮像時間、Time-SLIP 法の観察できる範囲と時間の制限、そして Tag パルス設定の煩雑という問題点を克服し、短時間に繰り返し撮像が可能であった。本法は、頭蓋内および脊椎脊髄領域において高い臨床的な有用性を持つと考えられた。
さらに、研究 2~4 で行った 2D dynamic iMSDE SSFP 法の課題を解決する 3D dynamic iMSDE SSFP 法による広範囲・高空間分解能化、AS-MSG による定常流と非定常流の分離描出、時間分解能の向上による呼吸性 CSF運動の描出などは、更なる CSF の詳細な動態情報を提供する可能性が十分に期待される。

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