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大学・研究所にある論文を検索できる 「24時間食道pH・多チャンネルインピーダンスモニタリング検査を用いたプロトンポンプ阻害薬抵抗性非びらん性胃食道逆流症の逆流pH値の検討」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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24時間食道pH・多チャンネルインピーダンスモニタリング検査を用いたプロトンポンプ阻害薬抵抗性非びらん性胃食道逆流症の逆流pH値の検討

阿部 泰明 東北大学

2020.03.25

概要

【背景】食道に粘膜傷害を伴わない非びらん性胃食道逆流症 (NERD; non-erosive reflux disease) では、 proton pump inhibitor (PPI) 投与によっても症状抑制が不十分な PPI 抵抗例が少なくない。近年開発された 24 時間食道pH・多チャンネルインピーダンスモニタリング検査 (MII-pH monitoring; 24 hour multichannel intraluminal impedance and pH monitoring) は、食道内逆流の詳細な評価が可能で病態把握に有用である。 PPI 抵抗例では、食道知覚過敏が関与することで PPI 内服下の弱酸逆流によっても症状が誘発されてしまう可能性が報告されている。しかし、弱酸逆流の pH 値の違いによって症状誘発率が異なるかは不明である。また、PPI 抵抗性 NERD に対して従来のPPI よりも強力な酸分泌抑制薬である vonoprazan の投与が症状抑制に有用かは明らかではない。

【目的】①PPI 抵抗性 NERD において、弱酸逆流の pH 値が症状誘発に与える影響を明らかにすること。② vonoprazan への切り替えを行った PPI 抵抗性 NERD 例における逆流 pH 値が症状抑制に与える影響を明らかにすること。

【方法】rabeprazole 10 mg 1 日 2 回 (PPI 倍量) の内服でも症状が残存する PPI 抵抗性NERD 57 例を対象とした。①PPI 倍量内服下のMII-pH monitoring の結果を用い、弱酸 (pH 4–7) をpH 4–5、pH 5–6、pH 6–7の3 群に分類し逆流pH 値別の症状誘発率を検討した。さらに、逆流到達部位と症状誘発率の関係を評価した。②Symptom index (SI) もしくは Symptom-association probability (SAP) 陽性の PPI 抵抗性 NERD 例中 vonoprazan 20 mg/日の内服へ切り替えを行った例において、切り替え前後の症状の変化を F スケール問診票で比較した。切り替え後に再度 MII-pH monitoring を行った例においては、vonoprazan 内服により症状が改善した例と症状が残存した例に分類し、切り替え前後での逆流pH 値の変化を評価した。

【結果】①対象 57 例中 SI/SAP 陽性例は 29 例 (51%) であり、1061 回の逆流が認められ、907 回 (85%) が弱酸逆流であった。弱酸逆流の pH 値別の検討では、pH 4–5 の逆流の症状誘発率(19%)が pH 5–6 (11%) 、6–7 (12%) と比較して高値を示した。さらに、pH 4-5 の逆流では上部食道まで到達することで高い症状誘発率を呈していた。②SI/SAP 陽性 29 例中 vonoprazan への切り替え例は 16 例、このうち 10 例で切り替え後に再度 MII-pH monitoring を施行した。切り替え 16 例において、F スケール問診票による症状スコアは中央値 20 点から 11 点へ改善を認めた。また、切り替え前後で逆流pH 値は中央値 5.1 から 5.3 へと上昇し、胃内 pH 4 未満時間は 53%から 21%へ、胃内 pH 5 未満時間は 72%から 34%へ低下した。症状改善例と症状残存例を比較すると、pH 5 未満の逆流は症状改善例 (19%) が症状残存例 (45%) より低値を示した。また、症状改善例ではpH 5 未満の逆流が切り替え前 (PPI 倍量内服) より減少していた (38%から 19%) が、症状残存例では pH 4 未満の逆流は減少していた (32%から 15%) ものの pH 4–5 の逆流が増加しており (18%から 30%) 、pH 5 未満の逆流に変化は見られなかった (50%から 45%) 。

【結論】SI/SAP 陽性 PPI 抵抗性NERD において、pH 5 未満の逆流が上部食道まで到達することが症状誘発に関連していた。vonoprazan により症状が改善した例では pH 5 未満の逆流が減少しており、逆流の pH 値を 5 以上に抑制する酸分泌抑制強化が症状改善に有用と考えられた。

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