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大学・研究所にある論文を検索できる 「妊婦の職務調整モバイルアプリケーション「ジョブみる」の開発と実施可能性の検証」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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書き出し

妊婦の職務調整モバイルアプリケーション「ジョブみる」の開発と実施可能性の検証

和田, 彩 東北大学

2023.03.24

概要

(書式18)




位 論 文 要 約
A b s t r a c t )

博士論文題目 Title of dissertation
妊婦の職務調整モバイルアプリケーション「ジョブみる」の開発と実施可能性の検証

東北大学大学院医学系研究科

保健学専攻

家族支援看護学講座ウィメンズヘルス・周産期看護学分野
氏名 Name

和田



【背景】妊婦にとって心身負荷の大きい職務は職業性ストレスを高めることに加え,有害な妊娠転帰につな
がることが報告されている。妊婦は,負荷の大きい職務を軽減するもしくは負荷の少ない方法で遂行すると
いった職務調整行動を行うことが重要である。しかし,どの程度の負荷が妊婦にとって心身への負荷を懸念
すべきなのか,その基準は提供されていない。そこで我々は,職務の推奨基準を明らかにし,それに基づく
職務調整モバイルアプリケーション(以下,職務調整ツール)を開発することで,妊婦の職業性ストレス軽減
を目指した。職務調整ツールの開発においては,その有効性検証に先立ち,実施可能性およびユーザビリテ
ィの程度を明らかにすることや,実現可能性や有効性が低い集団の特徴を同定することによる改善点の明確
化が必要である。本研究の目的は,国内外のガイドラインをレビューすることによって,妊娠中に身体的負
荷を軽減すべき職務の内容やその推奨基準を検討すること(研究 1),研究 1 の結果に基づき職務調整ツール
を開発し,その実施可能性およびユーザビリティを検証すること(研究 2),ならびに有効性および有効性に
関連する要因を検討すること(研究 3)である。
【研究 1:方法】就労妊婦の職務の推奨基準に言及している国内外のガイドライン・提言を対象にシステマ
ティックレビューを行い,研究者 2 名が推奨基準を検討した。
【研究 1:結果】計 7 件のガイドライン・提言をレビュー対象とした。そのうち 6 件以上に記載のあった持
ち上げ仕事,立ち仕事,就労時間,シフト勤務および重労働の推奨基準を明らかとした。
【研究 2:方法】研究 1 の結果に基づき職務調整ツールを開発し,妊娠 12-34 週頃までの就労妊婦を対象に,
縦断的観察研究を実施した。使用のフォローアップとして,2 週間毎のリマインドメールと,3 回の面談を
行った。Web 入力式質問票調査は,妊娠 12 週(T1),妊娠 20 週(T2),妊娠 32 週(T3)に実施した。実施可能
性評価として,脱落率,ツールの使用間隔および受容性質問項目(15 項目)を調査し,ユーザビリティ評価
としてシステムユーザビリティスケール(SUS)を用いた。有害事象の評価として,就労への不安および妊娠・
分娩経過における異常の発生頻度を調査した。実施可能性評価指標と属性との関連においては統計学的に検
定した。
1

(書式18)
【研究 2:結果】 研究の脱落率は 18.3%であり,分析対象者 66 人の妊婦の使用間隔の中央値は 2.94 週間で
あった。受容性質問項目のうち 13 項目で 7 割以上が肯定的評価を示した。SUS 平均スコアは 66.1 であり,
有害事象の発生は認めなかった。経産婦は初産婦と比較し使用間隔が有意に長く(p=0.011),受容性質問項
目のうち 2 項目における評価が有意に低かった(p=0.018,p=0.030)。
【研究 3:方法】研究 2 に参加した就労妊婦を対象に前後比較試験を実施した。有効性として,妊婦が職務
調整ツールを用いて職務調整を行うことで希望就労時期まで就労できることならびに T1 と比較し,T2 およ
び T3 に職業性ストレス反応,職業性ストレス要因,就労への不安が軽減することおよびワーク・エンゲイ
ジメント,仕事のパフォーマンスが向上することを評価した。
【研究 3:結果】職務調整ツールを用いた職務調整を実施した 57 名の妊婦のうち 53 名(93.0%)が希望就労
時期まで就労し,職業性ストレス反応スコアは,T1 から T2 および T3 にかけて有意に低下した(p=0.002,
p=0.002)。その他の評価指標において有意な変化は認められなかった。有効性に関連する要因は年齢,妊娠
初期リスクスコアおよび従業員規模であった。
【考察】日本でも活用可能と考えられる職務の推奨基準が明らかとなり,それに基づき開発された職務調整
ツールにおいて,先行研究と同等の実現可能性とユーザビリティを備えることが示された。今後は,本研究
で明らかとなった課題に対し,職務調整ツールを改善するとともに,実施可能性および有効性への関連要因
を考慮に入れ,症例数を増やし,対象群を設定した研究が必要である。 ...

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