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大学・研究所にある論文を検索できる 「高齢心臓外科手術患者の術前フレイルと軽度認知機能障害が術後せん妄発症に及ぼす影響」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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高齢心臓外科手術患者の術前フレイルと軽度認知機能障害が術後せん妄発症に及ぼす影響

板垣 篤典 東北大学

2020.03.25

概要

【背景】地域在住高齢者を対象とした複数の研究において、フレイルと認知機能低下の間に有意な関連性があることが指摘をされている。しかしながら、高齢心臓外科手術患者の術前フレイルと認知機能低下の併存率に関して記述した先行研究はなく、フレイルや認知機能低下単独、もしくはこの両者を並存することが術後せん妄発症に及ぼす影響力を認識するためのエビデンスは不十分である。

【目的】本研究の目的は、高齢心臓外科手術患者の術前フレイルと軽度認知機能障害 (mild cognitive impairment; MCI) が術後せん妄発症に及ぼす影響を検討することである。

【方法】本研究は後ろ向き観察研究として、当院において 2016 年 4 月〜2017 年 12 月までの間に待機的に心臓外科手術を施行された65 歳以上の高齢患者89 例を対象とした。統計学的解析として、Japanese version of the Cardiovascular Health Study criteria (J-CHS) 3 点以上をフレイル、Montreal Cognitive Assessment (MoCA) 26 点未満を MCI と定義し、それぞれの組み合わせによって対象を 4 群に分類した (Group 1: フレイルなし、MCI なし、Group 2: フレイルなし、MCI あり、Group 3: フレイルあり、MCIなし、Group 4: フレイルあり、MCI あり)。また、Intensive Care Delirium Screening Checklist (ICDSC) 4 点以上をせん妄と定義し、フレイルと MCI の組み合わせが術後せん妄発症に及ぼす影響力に関して多変量ロジスティック回帰分析を用いて検討した。

【結果】対象者の年齢は 74.9±5.5 歳、男性 64.1%であった。せん妄発症率に群間で有意差を認め、Group 1: 13.0%, Group 2: 18.8%, Group 3: 27.3%, Group 4: 56.5% と段階的にせん妄発症率が増大する傾向であった (p=0.004)。術後せん妄発症を目的変数とした多変量解析 (reference, Group 1) の結果、Group 4 のみ術後せん妄発症に有意な影響力を持つことが確認された (修正済みオッズ比 7.328, 95%信頼区間: 1.691-38.272, p=0.009)。

【結語】心臓外科術前にフレイルと MCI を並存することは、術後せん妄発症の有意なリスク因子として同定された。このことから、高齢心臓外科手術患者の術前に身体機能と認知機能の両者を評価することは、術後せん妄発症を予測する上で有用な情報になる可能性が示唆された。

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