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大学・研究所にある論文を検索できる 「がん細胞の放射線耐性獲得機序の解明とクルクミンによる耐性克服 (第137回成医会総会一般演題)」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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がん細胞の放射線耐性獲得機序の解明とクルクミンによる耐性克服 (第137回成医会総会一般演題)

朝倉, 正 箕輪, はるか 小山, 由起 池内, 新司 岸本, 充弘 阿部, 智行 堀内, 公子 吉川, 英樹 東京慈恵会医科大学

2020.11.15

概要

【目的】
 がんの放射線治療において,しばしば観察される放射線耐性の克服のために,その耐性に関与する遺伝子を同定し分子機序を解明する.ここでは,緩歩動物門に属するクマムシやグラム陰性菌の一つD. Radiodurans の放射線耐性遺伝子Dsup, pprA, ddrA/D, RecA とヒト遺伝子と一部相同性を有するGSK3B, SOD1, RAD51C(RecombinaseA)やRAD52,PTEN,NF-κB をターゲットにする.特にPTEN がRAD51C やRAD52の発現を調節することの証明,およびNF-κB によるPTENの発現調節を明らかにし,放射線耐性への関与を解明する.さらに,クルクミンがNF-κB の活性を抑制することを見出しているので,クルクミンによる放射線耐性の克服が可能であることを証明する.

【結果】
 種々のがん細胞の放射線感受性を調べた結果から,最も感受性が高かった子宮内膜がん細胞Ishikawa と最も低かった乳がん細胞 MCF7を用いて放射線耐性に関わる因子の発現を比較したところ,MCF7でGSK3B, SOD1, RAD51C, RAD52,PTEN, BRCA1, HER2, GATA3, CD24が高発現していた.これらの放射線耐性候補因子に対して,それぞれのsiRNA を用いてMCF7で発現抑制させたところ,RAD51C, RAD52, PTEN, BRCA1の発現を抑制することで放射線耐性が一部克服できた.特にPTEN の発現抑制では,放射線耐性の克服が顕著であった.さらに,PTEN の発現抑制は放射線耐性に関わるRAD51C,RAD52およびBRCA1の発現抑制を誘発した.一方,MCF7に1μM クルクミン48時間処理により放射線耐性の一部の克服が観察されるとともに,PTEN, RAD51C,RAD52およびBRCA1の発現が抑制された.これは,クルクミンがNF-κB の活性を抑制することによりPTEN 発現抑制を介してRAD51C,RAD52およびBRCA1の発現を抑制し放射線耐性を克服していると考えられた.

【結論】
 クルクミンはIκB のリン酸化を抑制することでIκB が分解されずNF-κB 活性を阻害することができ,クルクミン処理によるNF-κB 不活化がPTEN 発現を抑制し,PTEN 発現抑制を介したRAD51C,RAD52およびBRCA1の発現が抑制されることで放射線耐性の克服が可能となった.現在,NF-κB によるPTENおよびその下流の発現調節機構について検討している.

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