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大学・研究所にある論文を検索できる 「唾液中代謝物による軽度および中等度歯周病患者のスクリーニングに関する研究」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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唾液中代謝物による軽度および中等度歯周病患者のスクリーニングに関する研究

枝松 薫 山形大学

2020.03.31

概要

【緒言】
歯周病は、歯周病原細菌により引き起こされる感染性炎症性疾患であり、歯を喪失する主な原因とされ、近年様々な全身疾患との関連も多く報告されている。しかし、歯周病の初期段階といえる軽度から中等度歯周病においては、自覚症状がほとんどなく、進行していく歯周病が無自覚のまま放置され、重度歯周病に至ってしまっているのが現状である。また、最も一般的な歯周病のスクリーニング方法は、歯周ポケットを測定し、CPI (Community Periodontal Index)を算出する方法であるが、簡便で効率的な検診方法とは言い難く、スクリーニングの精度を疑問視する報告が上げられている。つまり、簡便で効率的かつ高精度な検診方法の確立が急務であるといえる。このような背景の中、唾液は簡便かつ非侵襲的に採取することができる生体材料であり、近年代謝物を一斉定量する技術が開発されたことから、唾液中の代謝物により疾患をスクリーニングする研究報告が増えている。そこで本研究では、最もスクリーニングすべき病態ともいえる軽度・中等度歯周病患者の唾液中代謝物を網羅的に測定し、軽度および中等度歯周病のスクリーニングバイオマーカーを同定することを目的とした。

【方法】
対象は健常者群、軽度歯周病患者群、中等度歯周病患者群、重度歯周病患者群の各群 40 名とし、安静時唾液の採取を行い、キャピラリー電気泳動・質量分析装置(CE-MS)を用いて、唾液中に含まれる代謝物濃度を網羅的に測定した。軽度・中等度歯周病患者群と健常者群の唾液中代謝物濃度について Mann–Whitney U 検定で 2 群比較を行った。軽度・中等度歯周病患者群において健常者群よりも統計学的に有意な高値を示した代謝物のうち健常者群から判別する ROC 曲線を作成し AUC を算出した。さらに複数の候補代謝物を用いた多重ロジスティック回帰モデルを作成し、最も高い AUC を持つ代謝物の組み合わせも検討した。軽度および中等度歯周病患者群で有意な高値を示す唾液中代謝物を各歯周病患者群と比較し妥当性を確認するとともに、多重ロジスティック回帰モデルの Support vector machine(SVN)を用いた交差検証を行った。

【結果】
対象者の唾液試料を CE-MS で測定し、軽度・中等度歯周病患者群・健常者群の 2 群間で統計学的有意差を認めた代謝物は 34 個であった。この代謝物候補を用いて多重ロジスティック回帰モデルを作成した結果、O-Acetylcarnitine、 Tyrosine、Histidine の 3 個の組み合わせで AUC 0.867 であった。さらに各群有意な高値を示した代謝物は類似しており妥当性があると考えられた。また、多重ロジスティック回帰モデルの SVN を用いた正解率は 81.7%であった。

【結語】
本研究では、軽度・中等度歯周病患者および健常者の唾液中の代謝物を網羅的に測定し、軽度・中等度歯周病患者を健常者からスクリーニングできうる唾液中代謝物を同定した。

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