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書き出し

Revision of the leaf-mining jewel beetle tribe Tracheini from Japan (Coleoptera, Buprestidae, Agrilinae), with notes on the morphology-based phylogeny of genera and species [an abstract of entire text]

瑤寺, 裕 北海道大学

2023.03.23

概要

Title

Author(s)

Citation

Issue Date

Doc URL

Revision of the leaf-mining jewel beetle tribe Tracheini from Japan (Coleoptera, Buprestidae, Agrilinae), with notes on
the morphology-based phylogeny of genera and species [an abstract of entire text]

瑤寺, 裕

北海道大学. 博士(農学) 甲第15302号

2023-03-23

http://hdl.handle.net/2115/89915

Type

theses (doctoral - abstract of entire text)

Note

この博士論文全文の閲覧方法については、以下のサイトをご参照ください。

Note(URL)

File Information

https://www.lib.hokudai.ac.jp/dissertations/copy-guides/

Tamadera_Yutaka_summary.pdf

Instructions for use

Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

博 士 論 文 の 要 約
博士の専攻分野の名称: 博

士(農学)
学 位



氏名





瑤寺





Revision of the leaf-mining jewel beetle tribe Tracheini from Japan (Coleoptera, Buprestidae,
Agrilinae), with notes on the morphology-based phylogeny of genera and species
(日本産潜葉性チビタマムシ族の分類学的再検討および形態に基づく属ならびに種
の系統について)
チビタマムシ族 Tracheini は、幼虫が葉に潜り内部組織を食す潜葉性という習性を
もつタマムシ科甲虫として知られている。本族は 4 亜族 12 属約 2,000 種から構成さ
れ、タマムシ科の中でも高い種多様性を示すグループの一つである。しかし、本族は
潜葉性という習性に起因する形態の類似によってまとめられた多系統群という推測
もあり、タマムシ科全体を扱った遺伝子解析に基づく系統では、本族が多系統群であ
ることを支持する結果が示されている。現在、従来のチビタマムシ族は暫定的に認め
られているが、これらの系統関係の問題解決には、各属の形態学的特徴を精査する必
要がある。しかし、本族に含まれる属の多くが数百種からなる大きな属であり、属の
定義自体に問題が残されている場合が多い。本族の再定義には属ごとの形態学的な再
検討が不可欠である。
日本におけるチビタマムシ族は、チビタマムシ亜族 Tracheina に属するチビタマム
シ属 Trachys Fabricius, 1801 とヒラタチビタマムシ属 Habroloma Thomson, 1864 の 2
属が知られている。チビタマムシ属は主に旧世界に広く分布し、600 種以上が記載さ
れている本族最大の属となっている。また、本属はチビタマムシ族のタイプ属であり、
族分類の観点から非常に重要な分類群である。ヒラタチビタマムシ属もまた旧世界に
広く分布し、約 300 種が記載されている大きな属として知られている。これら 2 属
には、両属の中間的な形態的特徴を有する種がいることから、ヒラタチビタマムシ属
はチビタマムシ属の新参異名または亜属とする見解があり、その分類学的扱いは古く
から議論されてきた。現在は、独立の属として扱われることが主流となっているが、
両属を特徴づける固有派生形質状態については明らかになっていない。この背景には、
タマムシ科の分類学において、長らく解剖学的な手段が用いられず、外見の極めて表
面的な情報から分類が行われてきた経緯がある。
日本産チビタマムシ族は、これまでに 2 属 32 種が記載、記録されており、種分類
は古くから研究されてきた。しかし、種分類は表面的な形態的特徴のみで進められて
きたことから、生殖節形態などの解剖が必要な形態の情報はほとんどなく、同定の難
しい種を多く含んでいる。また、従来の検索表は体毛の色彩から始まるが、体毛は自
然状態でも剥げやすく、そのような個体の検索表による同定は困難であり、改善が必
要である。また、事前の調査から、複数種の分類学的問題点といくつかの未記載種、
亜種の存在が明らかになっている。
これらの背景から、本研究は以下について取り組んだ。

(1)チビタマムシ属、ヒラタチビタマムシ属の基本形態把握(成虫形態の詳細な記
載)
外部形態および内骨格について、実体、光学および電子顕微鏡を用いて観察し、記
載した。観察に用いた種は日本産種をベースとしたが、各属のタイプ種を含むヨーロ
ッパや東南アジアの一部の種の観察も行った。その結果、同族他属から区別できる多
数の特徴がそれぞれの属で明らかになった。また、両属の区別には 16 個の形質が有
用であり、その中で 6 個の形質の有用性が本研究によってはじめて示された。そのほ
か、synonymy、biology、distribution についてそれぞれ文献情報を整理した。
(2)種の標徴形質レビューおよび新規有用形質の探索
これまで種の記載に用いられてきた両属の種の標徴形質について再検討し、頭楯の
比率計測方法の改善や前胸腹板突起などの両属で形態学的に誤った解釈の訂正など
を行った。また、これまで種分類に用いられてこなかった五つの形態形質を有用な標
徴形質として各属で提案した。
(3)日本産チビタマムシ属、ヒラタチビタマムシ属の分類学的再検討
雌雄生殖節の形態をはじめて詳細に比較検討し、他の外部形態の比較も加えて、日
本産チビタマムシ属 19 種(5 新参異名)およびヒラタチビタマムシ属 11 種 3 亜種
(1 新種、2 新亜種、1 新参異名、1 分布除外種)を認め、記載した。また、両属と
も種のグルーピングが可能であることから、非常に多くの種からなる両属の属内分類
の理解にむけて、チビタマムシ属で 7 種群(groups I–VII)、ヒラタチビタマムシ属
で 3 種群(groups I–III)の暫定的な種群を設立した。これら種群の概念を取り入れ、
従来の検索表とは別に新しい検索表を作成した。種ごとの生態情報は、成虫の食物、
寄主植物(幼虫)、潜葉習性(潜孔の形、摂食部位(柔組織上層、下層、全層)、産
卵位置、卵の特徴など)の項目ごとにまとめた。本研究ではチビタマムシ属において
25 植物種(5 種は新記録)、ヒラタチビタマムシ属において 14 植物種(9 種は新記
録)の寄主植物を記録し、文献記録と合わせて整理した。得られた潜葉痕は、証拠と
してさく葉標本とし、さらに植物図鑑などで用いられているスキャナーでの画像化を
実施し図版として示すことで、同定資料の充実を図った。
(4)属間系統、および種間の系統関係と寄主利用の進化
チビタマムシ族の属間系統
成虫形態 52 形質をもとに解析した結果、チビタマムシ族は多系統群であることが
推定され、本族に近縁と考えられているケシタマムシ族 Aphanisticini の一部からなる
クレードが、チビタマムシ族内の 3 亜族(Brachyina、Leiopleurina、Pachyschelina)か
らなるクレードと姉妹関係となった。先行研究の分子遺伝学的情報だけでなく、形態
学的情報からも本族の多系統性が確認された。一方、亜族分類については、従来の 4 亜
族を支持する樹形となり、Tracheina、Brachyina、Pachyschelina の 3 亜族でそれぞれ
固有派生形質状態が見つかった。しかし、本解析にはサンプリング不足の属もあるこ
とから、今後これらの形態形質を参考に、より包括的なサンプリングと形態観察に基
づく解析が求められる。したがって、本研究では、分類学的な新規の変更は行わず、
チビタマムシ族における分類学的な問題提起を行うまでとした。チビタマムシ属とヒ
ラタチビタマムシ属の分類学的な扱いについて、本解析結果から、それぞれ近縁な関

係にある単系統群であることが示された。また、両属の単系統性を支持する固有派生
形質状態がはじめて明示され、それぞれ属として扱うことが妥当であると考えられた。
今後の課題として、本解析に含むことのできなかった両属の中間的形質状態を示すと
される種を調査し、解析に取り入れる必要がある。
日本産チビタマムシ属の種間関係と寄主利用の進化
成虫形態 50 形質をもとに解析(台湾産種も含む)した結果、暫定的に設立した 7 種
群(groups I–VII)はおおむね単系統群であることが示唆されたが、3 種群において側
系統性が示された。そのうち、1 種群(group II)では新たに推定された種群へ 1 種の
移動が妥当で、1 種群(group VI)については他の種群(group VII)との統合、残り
1 種群(group I)については分割が必要である。寄主利用の進化について、日本産本
属は多くが近縁種間で系統的に離れた植物を利用する傾向が明らかになった。そのよ
うな寄主転換が本属の種分化に大きく寄与している可能性がある。
日本産ヒラタチビタマムシ属の種間関係と寄主利用の進化
成虫形態 46 形質をもとに解析(台湾産種を含む)した結果、暫定的に設立した 3 種
群(group I–III)はおおむね単系統群であることが示された。しかし、1 種の種群の
移動(group III から group I へ)が妥当であることが判明した。寄主利用の進化につい
て、日本産本属では大きくバラ科(特にキイチゴ属 Rubus)に特化した系統群と様々
な植物(種ごとでは特定の植物)を利用する系統群の二群に分かれた。キイチゴ属を
利用するグループは種分化において寄主転換以外のものが関与していると推測され、
もう一方の様々な植物を利用する系統群ではチビタマムシ属と同様な寄主転換が種
分化に寄与していると考えられる。ヒラタチビタマムシ属では、幼虫期にフラス(糞)
を潜孔外へ排出する行動が 3 種で特異的に観察されている(本研究)。この行動は一
つの種群(group II)から構成されるクレードに固有のものであることが明らかになっ
た。 ...

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