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大学・研究所にある論文を検索できる 「ラドン空間の新しい特徴付けについて (関数空間論とその周辺)」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

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ラドン空間の新しい特徴付けについて (関数空間論とその周辺)

斎藤, 吉助 田中, 亮太朗 小室, 直人 京都大学

2023.05

概要

79

フドン空間の新しい特徴付けについて
斎藤吉助

(新潟大学)

田中亮太朗(東京理科大学)

小室直人

(北湘道教育大学)

1 導入
本論文では、主に [
1
2
]の内容を解説する。以下では、ノルム空間やバナッハ空間は実数
体上で考えているものとする。
バナッハ空間の幾何学の研究においては、一般化された直交性の概念がしばしば重要な
役割を果たす。特に、接超平面や接汎関数、最短距離等の幾何的概念と関係が深い B
i
r
k
h
o
f
f
の直交性は、 1
9
3
0年代から多くの数学者によって研究され、興味深い結果を生み出し続
けてきた。

.
1(
B
i
r
k
h
o
f
f直交性 [
3
]
)
.X をバナッハ空間とし、 x,yE Xとする。そのとき、 xが
定義 1
I:


:│

x
i
iがすべての入 EJ
Rに対して成立することを
yに B
i
r
k
h
o
f
f直交するとは、 l
l
x十入Y
いい、 X 互 yで表される。
B
i
r
k
h
o
f
f直交性は、 1
9
3
5年に B
i
r
k
h
o
f
f[
3
]によって導入され、後に James[
8
,9
]により
種々の重要な性質が研究されたことから、 B
i
r
k
h
o
f
f
J
a
m
e
s直交性などとも呼ばれている。
また、一般化された直交性の名の通り、ヒルベルト空間においては、 B
i
r
k
h
o
f
f直交性上 B
は内積から定まる通常の直交性上と一致している。
2つの直交性上と上 B との類似点として、次が挙げられる。

(
i
)X 上B Yならば、 a
,
(
3E 股に対して ax上B (
3
yが成立する。
(
i
i
) X 且 xならば、 x=Oが成立する。
)となる aE恥が存在する。
(
i
i
i
) すべての x,yEXに対して、 xl_B (ax+y
一方で、上と上 B とは対称性の面では大きく異なる。実際、次の定理が知られている。

x

定理 (James[
9
]
)
.X をバナッハ空間とし、 dimX:

: 3と す ふ そ の と 色 上 B が で対
称である(つまり、 X 上B Yならば y上B Xが成り立つ)ことと、 X がヒルベルト空間であ
ることとは同値である。
ここで、「dimX::::釦という仮定は本質的であることに注意されたい。実は、 dimX=2
の場合には、上 B が対称であるような空間は無数に存在していて、ラドン空間とはそのよ
うな空間につけられた名前である。

80
定義 1
.
2(ラドン空間). X をバナッハ空間とし、 dimX= 2とする。そのとき、 X がラド
ン空間であるとは、 x,yE Xかつ x上BYならば、 y上BXとなることを言う。

B
i
r
k
h
o
f
f直交性の(非)対称性を理解する上でラドン空間の解析は欠かせないが、その
ためには、どのような空間がラドン空間となるのかを知らねばならない。実は、ラドン
空間の特徴付けは古くから研究されており(例えば、 M
a
r
t
i
n
i
S
w
a
n
e
p
o
e
l[
1
3
]の解説が詳
しい)、よく目にするものでは「単位球の境界がある種の双対関係にある曲線のペアであ
る」等が知られている。しかし、実際にノルム空間の中身を見ながら解析しようすると、
曲線を曲線のまま扱うのでは少々手間がかかる。そこで、本論文では、ラドン空間解析の
より良い出発点として、 a
b
s
o
l
u
t
enorm[
4
,2
0
]のペアにより定まる Day-James空間 [
1
8
]を
用いた、ラドン空間のより直接的な特徴付けを紹介したい。

2 Dayの特徴付け
本論文で述べられるラドン空間の特徴付けは、 Day[
6
]による方法の現代的な再構成と
見ることもできる。ここでは、本論文の主結果を述べるに先立って、まずは Dayによる
ラドン空間の構成法を再訪し、その根本にあるアイデアを探る。
まず、一般の 2次元ノルム空間を 4つ象限へと分割する合理的な方法を一つ与える。
補題 2
.
1(Day[
7
]
)
.X を 2次元ノルム空間とする。そのとき、 x,yEXで
、 l
l
x
l
l= I
I
Y
I
I= 1

x上BYかつ y上BXを満たすものが存在する。

X を 2次元ノルム空間とし、 x,yを補題 2
.
1のようにとる。配上のノルムを l
l
(
a
,
b
)
I
I=
l
l
a
x+ b
y
l
lにより定めると、(配, I


│)
と X とは等距離同型で、 xは e
1= (
1
,0
)に
、 yは
e
2=(
0
,1
)にそれぞれ対応する。また、
m
a
x
{
l
a
l
,l
b
l
}~ l
l
(
a
,b
)
I
Iさ │
a
l
+l
b
l
を満たしている。つまり、対応 X う ax+by⇔ (
a
,b
)E配は、ある程度質の良い X の象
限分割を与える。
また、ここで、

l
l
(
c
,d
)
I
I
*=sup{ac+b
d
:(
a
,b
)E股
叫 l
l
(
a
,b
)
I
I~ 1
}
と定めれば、 ・
II
レは ・
II
Iの双対ノルムと見ることができる。与えられたノルム(と等距
離な) ・
II
Iとその双対 ・
II
しをうまく用いることで、ラドン空間を構成することができる。

.
2(Day[
6
]
)
.X を 2次元ノルム空間とし、上の議論の通りに記のノルム ・
II
Iとそ
命題 2
II
しをとる。そのとき、配上のノルムを
の双対 ・


│a
,
b
)


x
,
R
={ (

│a
,
b
)



a
bミ0
)
l
l
(
b
,a
)
I
I
* (ab~ 0
)
により定めると、(恥汽

1・

l
l
x
,
R
)はラドン空間となる。

81
命題 2
.
2により、与えられた 2次元ノルム空間 X から、上述の方法でラドン空間(配, │
1・
l
l
x
,
R
)を構成することができる。一方で、 X が元々ラドン空間であれば、命題 2
.
2の方法
で作られるノルム空間は X と等距離同型となることが示せる。これには、次を用いる。
補題 2
.
3(
D
a
y[
6
]
)
.(野生 I・
II
I
1
)と (
R
叫I・
Il
l
2
)とは、ともにラドン空間であるとする。ま

II
I
1
)において e
1
.
l
Be
2であり、第一象限において ・
I1
1=I
I.伍が成立してい
た、(記 I・
るとする。そのとき、全空間配上で・
I
I1
1=
I
I
・l
l
2となる。
与えられた 2次元ノルム空間 X と
、 X において互いに B
i
r
k
h
o
f
f直交する単位ベクトル
x
,
yか ら 構 成 さ れ た 配 上 の ノ ル ム ・
I
II
Iは、定義より e
1
.
l
Be
2を満たし、また、第一象限
においてラドンノルム 1・
1l
l
x
,
Rと等しい。よって、 X がラドン空間であれば・
I
II
I自身もラ
ドンノルムとなるから、補題 2
.
3より次がわかる。
定理 2
.
4(
D
a
y[
6
]
)
.X を 2次元ノルム空間とし、(配, 1・
1l
l
x
,
R
)は命題 2
.
2の方法で構成さ
れるラドン空間とする。もし、 X がラドン空間ならば、 X と(配, 1・
1l
l
x
,
R
)とは等距離同
型である。
これにより、すべてのラドン空間が本質的に命題 2
.
2の方法で構成されることがわかる。
この命題 2
.
2と定理 2
.
4を合わせて、 Dayによるラドン空間の特徴付けを得る。

3 Day-James空間を用いた特徴付け
以下では、 D
ayの構成をヒントに、 Day-Jame空間を用いてより直接的にラドン空間を
特徴付ける。はじめに、 D
a
y
J
a
m
e
s空間を導入しよう。

II
Iが a
b
s
o
l
u
t
eであるとは、 l
l
(
a
,
b
)
I
I= l
l
(
l
a
l
,l
b
l
)
I
Iが成立することを言
配上のノルム ・

、 n
o
r
m
a
l
i
z
e
dであるとは l
l
e
i
l
l= l
l
e
2
I
I = 1で あ る こ と を 言 う 。 配 上 の a
b
s
o
l
u
t
eでか
つn
o
r
m
a
l
i
z
e
dなノルムの全体は A的 で 表 さ れ る 。 ま た 、 閉 区 間 [
O
,1
]上の凸関数ゅで、

max{l-t
,t
}:




心(
t
):

: 1を満たすものの全体を的と謹く。定義から、 a
b
s
o
l
u
t
eなノルム
は第一象限での振る舞いが本質的であり、その振る舞い(つまり、単位球の形状)を決定
づけているのは、 [
O
,1
]上の凸関数心(t
)= 1
1
(
1
-t
,t
)
I
Iである。さらに、 1
1

1
1E A芯 で あ れ
ば心 E 動であることもわかる。逆に、心€叱から具体的に II· I
IE A芯 を 構 成 す る こ と

もでき、 AN2と叱は一対ーに対応していることがわかる。
定理 3
.
1(
B
o
n
s
a
l
l
D
u
n
c
a
n[
4
]
;S
a
i
t
o
K
a
t
o
T
a
k
a
h
a
s
h
i[
2
0
]).各 '
l
j
JE 魁に対して、

)a,b)ヂ(O,0)

l
l
(
a
,
b
)

│ゅ ={ (

a
│+ │
b
│)
心 (

a


[│
b

0






(
(
a
,b
)=(
0
,0
)
)

と定めると、 I
I


│ゅE Aふ で あ る 。 ま た 、 写 像 叱 ぅ 心 → I
I



,
f
,E A的は全単射である。
この定理により、 A芯 の 元 ・
II
Iは、それに対応する叱の元ゆ(t
)= 1
1
(
1
-t
,t
)
I
Iを用い
て解析することができる。この対応関係を利用することで、多くの輿味深い結果が得られ
る。詳しくは、そのような研究の基となった S
a
i
t
o
K
a
t
o
T
a
k
a
h
a
s
h
i[
2
0
]と、それを引用す
る文献を参照されたい。

82
さて、目的の D
ay-James空間を導入しよう。平たく言えば、 Day-James空間とは、 AN2
の二つの元を組み合わせたノルムを持つ配である。
定義 3
.
2(
N
i
l
s
r
a
k
o
o
S
a
e
j
u
n
g[
1
8
]
)
. 妬の二つの元の組(¢,心)に対して、配上のノルム

1
1・1
1
'
P,


I
I
(
a
,b
)l
l
r
p,






1

a,
b
)


r
p (
a
bこ0
)
l
l
(
a
,b
)

│ゅ (
a
b
:
:
:
;0
)

と定める。このとき、(配, I
I


│ゃ沖は(一般化された) D
a
y
J
a
I
I
1
e
s空間と呼ばれ、佐(¢,心)
と表される。

D
a
y
J
a
I
I
1
e
s空間の概念を用いると、 ・
I
II
I
ゅE A
的であるとき、(配, I
I


│ゅ)=だ(心,心)の
ように表せる。また、容易にわかるように、心€叱ならば II·|| 口ゅ E AN2である。以降、

炉(心¢)はだ(ゆ)により表されるものとする。
Day-James空間の重要性は、次の定理からわかる。

.
3(
A
l
o
n
s
o[
1
]).任意の 2次元ノルム空間(配, I
I


│)に対して、ある(¢,心) E叱 x叱
定理 3
が存在して、(配, I
I


│)とだ(¢,心)とは等距離同型となる。

a
y
J
a
I
I
1
e
s空間に限っても
従って、 2次元ノルム空間について研究する際には、対象を D
ay-James空間の強みは、ノルムが凸関数のペア(ゃ,心) E叱 X 叱
一般性は失われない。 D
から具体的に構成されるため、一般のノルムに比べ解析がしやすいことである。
定理 3
.
3の視点から言えば、ラドン空間はある特殊な Day-James空間として表現可能で
ある。この特殊性を、凸関数のペア(¢,心) €叱 X W2における¢と心の関係として表現
したい。そこでヒントになるのが、前節の Dayによる特徴付けである。 Dayの構成では、
与えられたノルムとその双対ノルムをうまく組み合わせることでラドンノルムを得てい
たことを思い出そう。
凸関数心 E 動に対して、

(
1-s
)
(
l-t
)+s
t
S
E
[
O
,
1] 心 ( s
)

u
p
炉(
t
)= s

と置くと、炉 E 妬となる。また、(ゆ*)* =心に注意する。このとき、ゆ*により定まる

Aめ の 元 ・
II
いは、いにより定まる ・
I
I 伽の双対ノルムと見ることができる。実際、写像
佐(心)*ぅ

f→(
f
(
e
1
)
,J
(
e
2
)
)E£
2(




は等距離同型写像となる(これらの結果については、 M
i
t
a
n
i
S
a
i
t
o[
1
4
]および M
i
t
a
n
i
O
s
h
i
r
o
S
a
i
t
o[
1
5
]を菱照されたい)。また、 Dayの構成で双対ノルムを結合するときに
生じた「捻り」は、心 (
t
)=心 (
1-t
)と置くことにより表現できる。ここで、

l
l
(
b
,a
)
│に=


│a
,
b
)

│心
が成立することに注意する。
このような準備の下、本論文で提案されるラドン空間の新たな特徴付けは、次のように
なる。

83
定理 3
.
4(
[
1
2
]).次が成立する。

(
i
) 凸関数心

E 叱に対して、炉(心,正)はラドン空間である。

(
i
i
)任意のラドン空間 X に対して、ある心

E 妬が存在して、 X とだ(似正)とは等距離

同型となる。
この定理により、すべてのラドン空間を凸関数い E ¥
¥
2と結び付けて考えることができ
る。また、様々な場合においてゆ*はゆから具体的に計算でき、そのようなときには、与
えられた心により構成されるラドン空間炉(心,正)の正体を完全に突き止めることができ
i
z
u
g
u
c
h
i[
1
7
]にも見られる。
る。このような考え方の有用性は、例えば、 M

4 定理 3.4の証明の準備
本論文の残りの部分では、定理 3
.
4の直接的な証明を与える。まず、 James[
8
]による
B
i
r
k
h
o
f
f直交性の特徴付けを思い出そう。
補題 4
.
1(
J
a
m
e
s[
8
]
)
.X をバナッハ空間とし、 x,yEXとする。そのとき、

X 上BYであ

るための必要十分条件は、 fE X*で 1
1
1
1
1= 1
、f
(
x
)= l
l
x
l
lかつ f
(
y
)=0を満たすものが
存在することである。

,
bで a a
,
b
]→良が凸関数であれば、 aさ r 実数 a
t:
:
;bのとき、

f
(
s
)-f
(
r
)~ f
(
t
)-f
(
r
)~ f
(
t
)-f
(
s
)
く く
t-s
s-r ― t-r
が成立する。これより、固定された t
。E[
a
,
b
]に対して、 [
a
,t
0
)U(
t
o
,b
]上の関数

J
(
t
)-J
(
t
o
)
t←



t-t

は単調非減少である。特に、(端点 a
,
bでは有限値でない可能性はあるが)片側極限

f
(
t
)-f
(
t
o
)
f(
t
)-f(
t
o
)
!£(to)=.l
i
_
m
および f
1
(
t
o
)=.Hm
→t
o
0 t-t
t
→t
o
+
O t-t
t





はともに存在する。また、

(
i
) 各 tE(
a
,b
)に対して、 J

(
t
):
:
;f
1
(
t
);および
(
i
i
)s
,tE[
a
,b
]かつ s s
)
:
:
;J

(
t
)
が成立する。
凸関数の片側極限を用いることで、 D
ay-James空間の単位球の接汎関数を求めること
*が凸部分集合 C E Xの接汎関数
ができる。ここで、バナッハ空間 X において、 fE X

(
x
o
)=s
u
p
x
E
Gf
(
x
)となることを言う。また、このと
であるとは、ある x。E Cについて f

、 fは x。において C と接すると言う。バナッハ空間 X に対して、 Bxと Sxは、それ
ぞれ X の単位球と単位球面を表すものとする。

84
命題 4
.
2(
[
1
2
]).凸関数のペア(ゃ,心) €屯l

X 叱に対して、

1

1

x
(
s
)= ~(1- s
,
s
) および y
(
t
)= ~ ( t -1
,t
)
r
.
p
(
s
)
心(
t
)
と謹く。そのとき、次が成立する。

(
i
) sE(
0
,1
)のとき、 x
(
s
)において B
e
2(研)と接する汎関数は

+a(l-s
)
)
,

入(
r
.
p
(
s
)-a
s
,r
.
p
(
s
)

で与えられる。ここで、入> 0かつ a E[


(s


各k
(
s
)
]である。

(
i
i
)tE (
0
,1
)のとき、 y
(
t
)において B汽研)と接する汎関数は
t
)-a
t
),
ゆ(
t
)+a
(
l-t
)
)
,
入(ー(心 (
で与えられる。ここで、入> 0かつ a E[

し(
t
),
いk
(
t
)]である。
これにより、心€妬が t E (
0
,1
)で微分可能ならば、 y
(
t
)=心 (
t
)
1
(
t-1
,t
)において
B炉(砂)と接する汎関数は本質的に一意である。 この事実を用いることで、次を得る。

補題 4
.
3
. 凸関数のペア(ゃ,心) €叱 x 叱に対して、

1

1

x
(
s
)= ~(1- s
,
s
) および y
(
t
)= ~ ( t -1
,t
)
訓s
)
心(
t
)
とする。いは tE (
0
,1
)で微分可能であり、佐(¢,心)において y
(
t
)上Bx
(
s
)が成立している
とする。そのとき、

ゅ'
(
t
)
心(
t
)



1-2
s
s+t-2
s
t

が成立する。

P
r
o
o
f
. 仮定より y
(
t
)
.
l
Bx
(
s
)であるから、補題 4
.
1より、 y
(
t
)において Bt知,心)と接する
f€だ(平,心)*が存在して、 f(x(s)) =0となる。ゅは tで微分可能であるから、命題 4
.
2よ
り、ある入> Oが存在して

t
)
-か'
(
t
)
t
),
ゆ(
t
)+心'
(
t
)
(
l
t
)
)
!=入(一(ゆ (
となる。従って、
0=f
(
x
(
s
)
)=





心(
t
)一心'
(
t
)
t
)
(
l-s
)+(ゆ (
t
)+ゅ'
(
t
)
(
l-t
)
)
s
)
,
ゃ(
s
)

となるが、これは


(t
)+心'
(
t
)
(
l-t
)
)
s=(心 (
t
)一心'
(
t
)
t
)
(
l-s
)
.
を意味するから、これを整理すれば、

心'
(
t
)
1-2
s
叫) = s+ t-2
s
t
'
がわかる。

仁l

85
D
a
y
J
a
I
1
1
e
s空間上の汎関数がノルムに逹する領域について、次のようなルールがある。
補題 4
.
4
. 凸関数のペア( c
p
,心
) E屯lX 虹を考える。また、

Jは

f
(
a
,b
)=a
c+b
d
により定まる配上の汎関数とする。そのとき、次が成立する。

(
i
)c
,d~ 0ならば、
s
u
p
{
l
f
(
a
,b
)
I:(
a
,b
)E B
巴ゃ沖)} =s
u
p
{
f
(
a
,b
)
:(
a
,b
)E B
e
2
(
r
p,

) nQ

となる。ここで、 Q1={
(
a
,
b
)E 記: a
,
b~ 0
}である。

(
i
i
)C S
:〇S
:
:
dならば
s
u
p
{
l
f
(
a
,b
)
I:(
a
,b
)E Be2(ゃ,ゆ)} =s
u
p
{
f
(
a
,b
)
:(
a
,b
)E Be2如,ゆ) nQ

となる。ここで、 Q2={
(
a
,
b
)E 記: a さ O~b} である。
次の結果は Day-James空間の双対空間について述べたものであり、 [
1
8
,Theorem2
.
5
]
や [
1
2
,P
r
o
p
o
s
i
t
i
o
n2
.7
]に見られる。

命題 4
.
5
. 凸関数のペア(ゃ,心) €叫 X 叱を考える。そのとき、写像

→(f(l,0),f(O,1))E£2(cpぺ心*)


(c
p
,ル

* 3f

は、佐( c
p
,ゆ)*からだ位*,訳)への等距離同型写像を与える。
凸関数心€叱に対して、 'l/;(t) ~ max{l-t
,t
}より、 s
,tE [
O
,1
]かつ s
-1~咋 (O )こ

心(
t
)一
心(
s
)
こ砂( 1
)~ 1
t-s

となるから、心はリプシッツ連続である。また、リプシッツ連続な関数は絶対連続でもあ
るから、ラドン=ニコディムの定理より、心の導関数心'は [
D
,1
]のほとんど至る所で存在
する。
=級の凸関数であり、特に、 (
0
,0
0
]の各コンパクト区間
一方で、関数 t→-logtは c
o
g
o心も [
D
,1
]上でリプシッツ連続であり、
上でリプシッツ連続である。従って、合成関数 l
再びラドン=ニコディムの定理から、 l
o
g
o心の導関数 fはほとんど至る所で存在する。ま
O
,1
]に対して、
た、各 tE [

l
o
g(

(t
)
)=1'f(t)d入(
t
)
が成立する。ここで、入は



[
O
,1
]上のルベーグ測度である。もし、心が tで微分可能であ

るなら、 f(
t
)=心'
(
t
)/
心(
t
)となることにも注意しよう。この等式は、ほとんどすべての
tE [
0
,1
]で成立する。
.
3に対応している。
次の命題は、 Dayの構成における補題 2

86
命題 4
.
6
. 凸関数兌ゆ (
1
),
ゆ(
2
)E動を考え、 /
i
,
2
(
c
p,

(1
)
)と佐(平,心(2
)
)とは、ともにラドン
空間であるとする。そのとき、ゅ (1) =心(2) が成立する。

P
r
o
o
f
.適当なルベーグ零集合 N を [
O
,1
]から除いて、心(りはゅ(2
)とは、ともに (0,1)¥N
上で微分可能としてよい。任意に tE(0,1)¥Nをとり、 Jは (
t,1-t)E配 に 対 応 す る 記
上の汎関数とする。明らかに、 f(
t-1
,t
)=0である。 ...

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