リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

リケラボ 全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索するならリケラボ論文検索大学・研究所にある論文を検索できる

大学・研究所にある論文を検索できる 「プロレニン受容体の一遺伝子多型によるヒト脳形態差および認知機能差に関する研究」の論文概要。リケラボ論文検索は、全国の大学リポジトリにある学位論文・教授論文を一括検索できる論文検索サービスです。

コピーが完了しました

URLをコピーしました

論文の公開元へ論文の公開元へ
書き出し

プロレニン受容体の一遺伝子多型によるヒト脳形態差および認知機能差に関する研究

戸恒 智子 東北大学

2020.03.25

概要

【背景】
レニン−アンジオテンシン−アルドステロン系(RAAS)は古典的な体内での血圧調整の役割を担うが、脳組織局所における RAAS の役割、特に認知機能で担う役割は未だ解明されていない。プロレニン受容体(PRR)は脳内局所 RAAS の因子としてレニン活性の供給や V-ATPase として細胞生存に寄与し、その遺伝子 PRR の変異は精神発達遅滞やヒト新生児脳萎縮患者の原因遺伝子のひとつである。このことから PRR は脳発達や認知機能へ影響を及ぼす因子であると推測される。PRR 遺伝子の一塩基多型(SNP : Single Nucleotide Polymorphism)+1513A>G (rs6609080)は PRR の生理学的機能に影響を与えることが示唆されており、ヒト健常者においてこの SNP の脳への形態学的、認知的側面への影響を検証することで脳局所 RAAS、PRR の認知機能との関わりを明らかにできると考えた。

【目的】
PRR SNP +1513A>G (rs6609080)がヒト脳形態および認知機能に与える影響を検証し、脳局所 RAAS の認知機能における役割とそのメカニズムを明らかにする。

【方法】
計 1,260 名の健常右利きの日本人被験者(男性 n = 741、女性 n = 519)を対象とし、脳形態画像の撮像、流動性知能の測定、および PRR SNP +1513A>G (rs6609080)の遺伝子型の同定を行った。Voxel Based Morphometry(VBM)法を用いて遺伝子型群間での脳局所灰白質体積差の検定を行ない、知能スコアの差の統計学的解析を行った。

【結果】
VBM 法より健常日本人女性被験者ではPRR +1513AG 遺伝子型はAA 遺伝子型群よりも大きな両側基底核灰白質体積を示した。また、PRR +1513GG 遺伝子型群は AA 遺伝子型群より高い流動性知能を示した。なお、男性被験者においては+1513A/G 遺伝子型群間で脳の局所灰白質体積および流動性知能に有意差はみられなかった。

【考察】
PRR がヒトの脳発達および認知機能に寄与していることを示唆し、脳内局所 RAAS がヒトの認知機能において重要な役割を担っている可能性を示した。これは RAAS の認知機能への関与という新規の役割を示唆するものである。PRR を含む RAAS 因子の脳機能への関与を検討していくことがヒトの脳発達、認知機能のメカニズムを解明する上で重要であると考える。

全国の大学の
卒論・修論・学位論文

一発検索!

この論文の関連論文を見る