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学生時代に培った知識や技術をもとに、バリバリと働く理系の人々。技術職や研究職なんてとりわけ忙しそうだけど、どんなふうに子育てをしているんでしょう? そこで、理系職種で働きながら子育てをしている150名にアンケート。まずは“理系の子育て”の現状をチェックしました。(リケラボ調べ/協力:ファストアスク/一部周辺取材)
フルタイムで働きながら、子育てもしている人が多数派
現在の勤務状況について教えてください。
理系パパ・ママの約8割はフルタイムで働きながら子育てをしている様子。男女別に内訳を見てみると、「フルタイム勤務」を選んだ人の91.6%が男性で、「時短勤務」を選んだ人の60.0%が女性でした。やはり、働き方には多少の性差がありそうです。だけど、「産休中・育休中」を選んだ人の40.0%は男性! 理系の現場にも、イクメンが増えてきているのかも。
とはいえ、子育てをしながら夫婦ともにバリバリ働くのは、並大抵のことではありません。特に子どもの小さいうちは、育児休暇や時短勤務などを活用したい人も少なくないはず。そういった制度が整っていて、心地よく使えるのが一番です。現実はどうでしょうか?
産休や育休、時短勤務などの制度を活用する際、職場の雰囲気はどうでしたか。以下から近いものを選んでください。
職場側の気持ちが透けて見えるような結果に。おめでたいことだけれど、人員配置は悩ましい……というのが実際のところでしょうか。そしてなぜか、困った顔をされたり、嫌みを言われるのは男性に多いようでした。
子育てがワーパパ・ワーママの仕事に与える影響
では、子どもが産まれて、いよいよ働き始めてからは? 職場の雰囲気について聞いてみました。
職場には、妊娠や出産と同時に、退職する女性社員が多いですか?
国立社会保障・人口問題研究所の「第15回出生動向基本調査(夫婦調査)」によると、第一子妊娠をきっかけに退職する女性は約6割。やはり技術や知識が物を言う理系職種だからか、全体平均に比べれば、妊娠・出産をきっかけに退職する社員は少なめのようです。
あなたの職場では、子どもがいると、責任ある仕事を任せてもらいづらいですか?
全体では「あまり当てはまらない」「まったく当てはまらない」が多数派。だけど実は、女性に限ってみると「とても当てはまる」が1位という結果でもありました。残念ながら、子育てを理由に第一線を退かざるを得ない女性は、まだ少なくないのかもしれません。
あなたの職場では、子育てをしていると、出世に影響がありますか?
出世についても、影響がないと答えた人のほうがやや多数派。特に女性のなかでは「まったく影響はない」が最も多く、むしろ男性のほうが、子育て参加によって社内の評価を落とす可能性が見えました。本来は、男女関係なく子育てと仕事を両立できる環境であってほしいものです……。
次回は、働きながら子育てをするワーパパ、ワーママたちの悩みや喜びをレポート。さまざまなリアルエピソードをご紹介します。
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