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普段何気なく口にしている食べものや、手にしている道具を使って、自宅で手軽にチャレンジすることができる科学実験を10種類ご紹介。身の周りの科学を通して、サイエンスの面白さを再発見してみませんか? 夏休みの自由研究にもおすすめです!
No.6 白身がなくて真っ黄色な「黄身返したまご」をつくる(所要時間30分)
〈必要なもの〉
・卵 1個
・塩 大さじ1
・ストッキング
・ビニール袋
・ビニタイ(ワイヤーが通った結束材)またはストッキング自体を結ぶでも可
・鍋
・菜箸
・懐中電灯
〈手順〉
1. 卵の下から懐中電灯で光を当てて、光の通り方を確認する。
2. ストッキングの片脚部分を切り取って、細長い袋状にする。
3. ビニール袋に入れた卵をストッキングの中央に入れる。
4. 卵が縦向き(ストッキングと垂直)になるようにして、すぐ横の部分をビニタイで縛る。
5. ストッキングの両端を持って、ぶんぶんごまのように回転させる。
6. 卵を取り出して再度懐中電灯で光を当てる。最初よりも暗くなっていたらOK(黄身が外側になった証拠)。暗くなっていなかったら、再度ストッキングに入れて固定し、回転させる。
7. 卵を取り出して、ゆでたまごにする。(お湯に塩を入れておくと、万が一卵にヒビが入るなどしても固まりやすく安心)
〈解説〉
卵を激しく振ることで卵黄膜が破れ、さらに遠心力によって黄身が外側へ流れ、白身の一部と混ざり合います。そのままゆで固めることで、黄身と白身が混ざったようなゆでたまごができるのです。
▼やってみた!
道具を準備。
懐中電灯で卵を照らすとこんな感じ。うっすらと黄身のような塊も見えます。
ストッキングを切り取って卵を縦向きに入れたら、卵の両サイドをビニタイで縛ります。きつく縛って卵をきちんと縦に固定するのが、成功率アップのコツ!
ストッキングの両端を持ってくるくると回してから外に引っ張るようにしてぶんぶんごまのように卵を高速で回転させます。
しばらく回転させたら、卵を取り出して照らしてみましょう。成功したときはこのように一目瞭然、卵は光を通さず暗くなります。まだ光が通るようなら、ぶんぶんごまの工程をやり直しです。
鍋に卵がかぶるくらいの水と、大さじ1杯の塩を入れてゆでたまごを作ります。目安はおよそ10分。初めのうちは菜箸でコロコロと卵を転がしながら茹でます。
茹で上がった卵の殻を剥くと、こんな感じに黄色いゆでたまごのできあがり!
断面を見ても中まで真っ黄色。食べてみると、黄身独特のボソボソ感がなくなりつるんとした食感で意外なほど美味!このままお料理にも活用できそうです。
No.7 シュワシュワ手づくりラムネ(所要時間15分+乾燥に1日)
〈必要なもの〉
・粉砂糖 25g
・クエン酸 耳かき1ほど
・重曹 耳かき1ほど
・食用色素
・ボウル(ステンレス製もしくはガラス製)
・型
・霧吹き
〈手順〉
1. ボウルに粉砂糖、クエン酸、食用色素を入れてよく混ぜる。
2. 霧吹きで1に少しずつ水を吹きかける→混ぜる を繰り返して、ぎゅっと押し固められるくらいしっとりさせる。(水の加えすぎに注意)
3. 2に重曹を加えて混ぜる。
4. 型に入れてしっかりと押し固める。
5. 型から外して1日乾燥させる。
〈解説〉
ラムネのシュワッとする食感は、クエン酸と重曹(炭酸水素ナトリウム)の反応によるもの。口に入れたときにクエン酸と炭酸水素ナトリウムが混ざり合い、炭酸ガスが発生してしゅわしゅわするのです。
▼やってみた!
道具を準備。
今回、クエン酸はスティックタイプの食用のものを使用してみました。
ボウルに材料を入れてよく混ぜます。
霧吹きで少しずつ水を加えながら混ぜます。
水を加えたら色素が発色して真っ青になりました。どうやら色素を入れ過ぎてしまった模様…。
型に入れて押し固めていきます。今回は一口サイズのおにぎり型を使いましたが、半球状の小さじスプーンを2つ組み合わせて使ってもOK。
型から取り出して、1日乾燥させます! うーん、今回は見た目はちょっと、失敗かもしれません…笑。
乾燥後、味見してみたところ、毒々しい青色(色素を入れすぎたせい)とは裏腹に、意外にも普通のラムネっぽい味わい!シュワッとする食感も味わえました。今回、表面が凸凹になってしまったのは、おそらく水が多かったから。もう少し水の量を少なめに、そして色素も微量にすれば、もっとラムネっぽくなりそうです。
No.8 化石づくりにチャレンジ(所要時間15分+固めるのに12時間)
〈必要なもの〉
・焼石膏
・油粘土
・プラスチック製のボウルもしくは深めの紙皿
・水
・貝殻
〈手順〉
1. 器に油粘土を2cmほどの深さに敷き詰める。
2. 粘土の表面に、貝殻をギュッと押し込んで形を残す。
3. 焼石膏を水と混ぜる。パッケージに記載された分量よりも少し少なめの水と混ぜるのがポイント。
4. 3の焼石膏を粘土の上に流し入れて、半日ほど置いて固める。
5. 石膏が固まったら粘土から取り外す。
〈解説〉
本来、何百万年もかけてできる化石をたった半日で再現します。この化石の作り方は、恐竜や動物の足跡の上に泥が埋まってできる雄型化石のでき方によく似たものです。
▼やってみた!
道具を準備。
紙皿に粘土を敷き詰めます。表面を指でならして、できるだけ平らに、なめらかにするのがポイント。
貝殻を押し付けて形を残します。今回は身近に手に入るしじみの貝殻を使ってみました。
水と混ぜた石膏を粘土の上に流し入れます。
半日ほど放置して固まったら、石膏を粘土から取り外します。欠けないようにゆっくりと!
外したものがこちら。
小さなしじみの貝殻でも、きちんと形が残りました。表面の凹凸もしっかりと確認できます。この上に茶色の絵の具で色を塗れば、より化石っぽさが増します。
でもなんだかこのままインテリアにもしてもよさそう。
同じ貝殻でもたとえばサザエのようなより凹凸の大きなものだとさらに迫力のある”化石”になると思います。ぜひいろいろな素材で試してみてください!
No.9 缶を一瞬でぺしゃんこにする実験(所要時間10分)
〈必要なもの〉
・アルミ缶
・水槽
・るつぼばさみ もしくは軍手
〈手順〉
1. 水槽を水でいっぱいにする。
2. アルミ缶に水を5ml入れて、るつぼばさみで掴みながら加熱する。
3. 沸騰が始まって蒸気が出るようになったら、すばやく缶を逆さにして水槽の水面につける。
〈解説〉
水が沸騰しているとき、水分子が一気に開放されて飛び出しています。このとき、沸騰状態で活発に熱運動していた水分子を一瞬で水面に触れさせることで、缶の外部と内部の圧力に差ができ、缶が外側からの圧力(大気圧)に耐えきれずつぶれるのです。
▼やってみた!
空き缶が水面に触れた瞬間、まさに一瞬で凹んでしまうのがわかります。大気圧の力の大きさを実感できるとともに、人間があたりまえのように大気圧下で生活していることについても考えさせられます。
No.10 空き缶をつかって小さな爆発体験(所要時間10分)
〈必要なもの〉
・アルミ缶
・缶切り
・釘
・エタノール 1ml
・ピペット
・紙コップ
・ガムテープ
・ライター
〈手順〉
1. アルミ缶の底から2cmのところに釘で5mm程度の穴を空けて、缶切りで上ぶたを切り取る。
2. ピペットでエタノール1mlを缶に注ぎ、缶を軽く回して内側に広げる。その後、缶を手で覆って少しの間温める。
3. 缶を置いてガムテープで固定し、紙コップを上からかぶせる。
4. ライターの火の先端を缶の穴に近づける。
5. 爆発後は、缶の内部の火が消えていることをきちんと確認する。
〈解説〉
缶の内部のエタノールに点火することで、空気中の酸素と激しく反応し、一瞬で気体の体積が膨れ上がるため小爆発が起こります。
▼やってみた!
穴から缶の内部に火をつけると、紙コップが勢いよく飛んでいきます。実験時は、エタノールに触れたピペットなどに引火しないよう充分に気をつけましょう。自宅でもチャレンジできる科学実験。ぜひ、サイエンスの興味深さを再発見してみてください!(お子さんの自由研究を手伝ってあげる際は、火を使う実験など充分ご注意ください)
〈参考書籍〉
『「食べられる」科学実験セレクション』尾嶋好美・著/サイエンス・アイ新書(実験No.6、7)
『実験マニア』山田暢司・著/亜紀書房(実験No.9、10)
『科学の実験大図鑑』ロバート・ウィンストン・著/西川由紀子・訳/新星出版社(実験No.8)
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