おもしろ実験や親子で楽しめる理系企画など、理系ゴコロをくすぐる情報が盛りだくさん。
私たちの生活の中には、「科学」で説明できることが多くあります。
見慣れている身の回りの自然を改めて科学的な視点で眺めてみると新しい発見や感動を知ることができます。毎日少しずつ変わる四季の変化から、いろんなサイエンスを親子で楽しんでみませんか。
今回は、天気図の見方・書き方を解説します。
あした天気になぁれ
運動会、遠足、家族旅行など、私たちはいろんなイベントを楽しみに過ごしています。
日本では日常の日を「ケ」、お祭りや儀礼などの特別な日を「ハレ」と呼ぶ文化があります。※1
「晴れ着」とはハレの日に着る上等の着物のことで、「晴れ舞台」とは一生に一度しか経験しないような大切な場面のことを表しています。
旅行に出発する前日、私たちは天気予報をみるでしょう。
日本では、気象観測データに基づいて日本とその周辺の天気図を作成し、明日や明後日の天気を予想して天気予報として発表しています。
最近では、気象予報士さんが独自で天気予報を発表できるようになり、天気図についての解説を聞く機会も多くなりました。
天気図から得られること
天気予報でよく目にするものに「天気図」があります。
天気予報に用いられる天気図っていったい何でしょうか?
天気図から何が分かるのでしょうか※2。
これは2022年6月11日12時の天気図です。
天気図には様々な情報が書き込まれています。
- 高気圧、低気圧の位置とその中心気圧がわかります。
- 前線の種類( 温暖前線 、 寒冷前線 、 停滞前線 、 閉塞前線 )と位置がわかります。
- 高気圧、低気圧、前線がどのような動きをしているかがわかります(方角、速度)。
- 等圧線により、12時現在の各地の気圧がわかり、これから気圧が上昇するのか下降するのか予想できます。
- 知りたい地点の天気が良くなるのか、悪くなるのか予想できます。さらに細かい情報があればそれが何時間後くらいになるのか予想できます。
温暖前線 | 温暖前線は幅が広いため、天気の変化がわかりやすく、色々な雲が現れます。雨の降り方は比較的弱く、長く続くことが多い。 |
寒冷前線 | 動きが早く、雨雲も発達しやすい前線です。前線が通過するタイミングで強い雨が降りますが、あまり長く降りません。寒冷前線が通過したあとは気温が下がります。 |
閉塞前線 | 前線は温暖前線の後ろに寒冷前線がいることが多いですが、寒冷前線の方が動きが早いため、温暖前線に後ろから追いつくと閉塞前線になります。寒冷前線と温暖前線の強い方の性質を受けて雨の降り方が変わってきます。 |
停滞前線 | 勢力が同じくらいの空気と空気の境目にできます。動きがあまりなく、梅雨や秋の長雨の原因です。 |
季節によって変わる日本周辺の気圧配置
高気圧や低気圧、前線の種類やその位置関係のことを「気圧配置=きあつはいち」と言います。
日本は春夏秋冬の四季がはっきりしている国で、大部分の国土が「温暖湿潤気候=おんだんしつじゅんきこう」という気候帯に属しています※3。
地球温暖化が進み少しずつ亜熱帯化してきている日本ですが、それでもなお温暖湿潤気候の特徴がはっきりと見られます。
日本の四季(春、夏、秋、冬)について、どんな天気を思い浮かべますか?
春
風はまだ冷たいけれど日中の日差しはポカポカと暖かく、昼夜の寒暖の差が大きくなって服装の調節が難しくなります。雨(みぞれ混じりの雪)の日と穏やかな晴天が周期的に交互にやってきます。
汗ばむようなお花見日和があれば、冬のコートが欲しいような寒い北風が吹く日(花冷え)もあります。
夏
北の冷たい気団と南の暖かい気団がぶつかり日本上空に停滞前線ができ、日本は梅雨の時期をむかえます。(この季節に出来る停滞前線を梅雨前線と呼んでいます。)
<再掲>
掲載した2022年6月11日12時の天気図は、夏(梅雨の頃)の天気図です。
沖縄・奄美・九州地方や関東甲信越地方ではすでに梅雨入りの発表がありました。
日本列島の南側には長い前線が出来ています。
前線の東西両側は停滞前線(梅雨前線)ですが、中央付近は寒冷前線と温暖前線を伴う温帯性低気圧となっています。
低気圧はちょうど奄美地方付近にあり、等圧線の間隔が狭くなっていることからこの地域は強い風雨であることが予想されます。
やがて南の暖かい気団の勢力が強くなり、停滞(梅雨)前線を押し上げて消滅して日本列島に夏がやってきます。
朝から気温が上がり、まぶしく強く照りつける濃い青空が広がります。午後になるとあちこちで真っ白な入道雲が発達し、夕立時にはゲリラ豪雨となることがあります。
「南高北低」型と呼ばれる気圧配置が続きます。
秋
湿度が下がり、カラッとした爽やかな風が吹くようになります。空の透明度が高くいろんな種類の雲が見られるようになります。安定した晴天が続き、旅行にもスポーツにも勉学にも集中して取り組める季節になります。
一雨ごとに気温が下がり、南から台風が上陸する機会も多くなります。
冬
シベリアで高気圧が発達し、「西高東低」と呼ばれる気圧配置が見られます。強い北風が吹き、日本海側には大量の積雪が見られることがあります。空気が乾燥し、一年で最も火災に注意する季節となります。
「天気図」を書いてみよう
天気図は誰でも書くことができます。
2022年6月11日12時の天気図を書いてみましょう。
・天気図をかくのに必要なもの
①気象通報を受信できる端末(ラジオ)
天気図に必要な気象情報はNHKラジオ第二2放送あるいはラジオたんぱ(日本短波放送)で1日数回放送されています。周波数は地方によって異なるので、その周波数が受信可能な端末を準備してください。
②天気図用紙
「ラジオ用天気図用紙」というのが売られています。
No.1とNo.2の2種類のタイプがあります。No.1は気象データを書き留める表がありますが、No.2にはないので直接地図に書き込んでいくことになります。初めて天気図を書く場合はNo.1タイプの方が書きやすいのではないかと思います。
天気図用紙は学校教育現場でも使用されることがあるため、書き方ガイドが付属した教育用セットなど様々な形式で売られています。B4版50枚綴りで880円程度で購入できます。1冊あれば夏休み毎日の天気図を書くことができます。
読み上げられるデータを書き留めていくうえで、まず最初に覚えなければいけないのは「天気図記号」です。
特に快晴、晴れ、くもり、雨、にわか雨、雪はよく出てくるので覚えてしまうと楽かもしれません。気象通報を聞いてデータを書き留めよう
ラジオの気象通報で読みあげられてゆく気象情報を書き留めていきます。
気象通報では読み上げられるデータの順番が決まっています。
気象通報では、最初に「天気概況」から始まります。ここは気象全体の様子なのでスピードに慣れるための耳鳴らしのつもりで聞いておきます。
「各地の天気です」と前置きがあり、左上の「石垣島」から気象データの読み上げが始まります。
風向は「南南西」と書く十分な時間がないので「SSW」や「ナナセ」など時間内に書ける工夫をしましょう。
「富士山」まで終わると、「船舶などの報告」が始まります。
読み上げられるデータはすべて北緯、東経、風向、風力、天気、気圧の順です。時々報告のないデータがある場合があります。
続いて「漁業気象」に続きます。
低気圧や高気圧の中心位置や前線が通っている位置などが北緯、東経の順に読み上げられていきますので、順番に書き留めていきます。
高気圧は「H」、低気圧は「L」と略記すると早くメモできます。
漁業気象は日によって情報量が異なり、枠内に書ききれない場合は周囲の余白や用紙の裏側などを使って書き留めます。
15分間で得られた2022年6月11日12時の気象通報は以下のようになりました。
船舶や漁船は、毎日北緯、東経の決まった位置に出航して、気象データを送信してきているのです。また海洋には定点観測ブイがあり、これらから送信されるデータも含まれています。
日本列島の周囲には広い海洋や外国があります。これらの地点からの協力がなければ正確な天気図は書くことができません。天気予報は国際協力の中で成り立っているのですね。
――補足
過去1週間分のデータはテキスト形式(文字)で気象庁HPに掲載されています。
https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/gyogyou/index.html
また下記のURLでも聴くことができます。
https://youtu.be/_WQjqctUDo8?t=7
Yumiは子供の頃ラジオを聞きながら天気図を書いたことがありました。聞き逃しても大丈夫なように毎回録音していました。
今は、ラジオ放送を聞き逃しても、翌日にWEB上で確認することができます。一度で聞き取れなくても繰り返し再生することができます。
気象情報を地図上に書き込んで行こう
書き留めた気象データをもとに天気図を書いていきます。※4
読み上げられた観測地点は、逆「の」の字のような順番になっています。
「石垣島」から日本列島を北上し、「稚内」から樺太(サハリン)、シベリアをへて朝鮮半島、中国大陸を南下し、フィリピン方面へと順番に続いています。
記入例を参考に、風向、風力、天気、気圧、(気温は煩雑になるようだったら最初は書かなくてもよいかと思います)を書き込んでいきます。日本列島はスペースが狭くて書きにくいかもしれませんが、出来るだけわかりやすく書きましょう。特に気圧が重要です。
漁業気象を参考にして、高気圧、低気圧、前線を書き込んでいきます。
高気圧は中心に赤で「高」または「H」と書き、低気圧は青色で「低」または「L」と書きます。
前線は、温暖前線は赤色(暖色)で、寒冷前線は青色(寒色)で表し、閉塞前線及び停滞前線は赤色と青色2色もしくは紫色を使って表記します。
前線は途中で鋭角に折れ曲がることはありません。経由地点を結んだ滑らかな線で結びます。
前線と言うのは「温かい空気」と「冷たい空気」が接した境界に出来るものなので、その接触面は滑らかな連続面だからです。
等圧線(とうあつせん)を書き込もう
気象通報では、基準となる等圧線の情報が読み上げられます。
2022年6月11日12時の気象通報では1016hPa(ヘクトパスカル)の等圧線でした。1012hPaや1008hPaなどほかの気圧の時もあります。
書き留めた1016hPaの観測地点と、各地の気象データから1016hPaの地点を選んで滑らかな線で結んでいきます。
等圧線とは、同じ気圧の地点を結んだ線のことです。
地図で言えば等高線のようなものです。
等圧線には、次のような特徴があります。
・鋭角に曲がることはない
・枝分かれしたり交わったりしない
等圧線は1000hPaや1020hPaなど20hPaごとに太い線で書かれ、その間は4hPa間隔で細い線が引かれます。
2022年6月11日12時の気象通報では1016hPaの等圧線でしたので、ひとつ高圧側の1020hPaの等圧線が太い線となり、1016hPaは細い線で描くことになります(添付図ではわかりやすいように太めに書いています)が、1016hPa等圧線はこれから他の等圧線を引いて行くときに非常に重要な基準線となります。
1016hPaの等圧線を参考にして、他の等圧線を引いて行きます。
最初に提示した気象庁発表のような天気図が描けたでしょうか。
何日か続けて天気図を描いてみましょう。
描いた天気図は、気象庁のページで答え合わせすることができます。
https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/wxchart/quickmonthly.html
天気図から分かる今の天気
天気図から何が分かるのでしょうか。
私たちが普段目にしている天気図は「地上天気図(ちじょうてんきず)」と呼ばれるもので、地上付近の大気の状態を表したものです※5。
地上天気図(以下「天気図」と書きます)では、気象通報から得た情報により「等圧線」が引かれています。
- 等圧線からそれぞれの地点の大まかな気圧を知ることができます。
等圧線の間隔が狭いと、気圧の差が大きいので強い風が吹いていることになります。 - 高気圧(周辺で最も気圧の高い場所)と低気圧(周辺で最も気圧の低い場所)がどこにあるのかがわかります。
高気圧からは時計回りに風が吹き出し、低気圧には反時計回りに風が吹き込むことから、高気圧と低気圧の中心が予測できます。 - 太平洋側の暖かい空気とシベリア側の冷たい空気がぶつかって出来る「前線」の種類と位置がわかります。
前線の種類によって雨雲(雪雲)が発達しやすい地域が異なるので、晴れや曇りや雨(雪)の確率が予想できます。最近ではゲリラ豪雨や線状降水帯による集中豪雨の予想へも役立てようと検討されています。
再び、2022年6月11日12時の天気図を見てみましょう。
日本列島の南側に長い停滞前線が伸びています。この前線の北側では広い範囲で雨雲が発達して、西日本を中心に雨が降っています。
6月ごろの日本上空に見られる長い停滞前線は「梅雨前線」と呼ばれているものです。太平洋側の熱い空気(赤道気団=せきどうきだん)が次第に勢力を増して北にある冷たい空気(オホーツク海気団)を押し上げて、梅雨前線が南から北へ移動してきます。
梅雨前線が日本上空にある時を「梅雨」といい、梅雨前線が北へ抜けると「梅雨明け」となります。
気象庁によると、2022年5月4日に沖縄県が梅雨入りし6月20日に梅雨明けしています。この天気図では、梅雨前線はちょうど沖縄県内を通過中です。6月11日は奄美・九州地方の梅雨入りが発表されました。
続いて6月20日12時の天気図です。
この日、沖縄県では梅雨明け宣言がありました。梅雨前線が少し北上しているのがわかります。6月12日に関西・四国地方が梅雨入りし、北海道を除いて日本列島は梅雨となっています。
天気図から分かるこれからの天気
毎日同じ時間の天気図を描いていくと、毎日の天気の移り変わりが感じられるようになってきます。
テレビの天気予報では、なぜ明日は「晴」「くもり」「雨」と言う予報になったのでしょうか。何枚かの天気図を比べてみると、大雑把に予報できることがあります。
再び2022年6月11日12時の天気図で考えてみましょう。
日本列島付近に停滞前線(梅雨前線)がうねりながら東西に伸びています。
よく見ると、そのうねりのなかで急なカーブを描いているところがあります。この部分を「キンク」といい、近い将来ここに低気圧が発生する確率が高いことを示しています。令和4年6月20日21時の天気図で赤マルを付けた部分がキンクに相当します。
6月12日12時の天気図では関東地方沖に低気圧が発生しています。
日本上空では大気は西から東へ移ってゆくので※6、6月11日にキンクが見られた場所は、12日では関東沖の海上に移動してきたことになります。
暖かい空気と冷たい空気が接するところには前線ができます。暖かい空気が冷たい空気に触れて冷やされると、水蒸気が細かい水滴になり「雲」ができます。
冷たい空気は暖かい空気より重たいので、暖かい空気の下に沈み込むように2つの空気層が接することになります。
暖かい空気に冷たい空気が入ってきたときは寒冷前線、冷たい空気に温かい空気がはいってきたときは温暖前線ができます。いずれの前線も雲は二つの空気の接する部分、つまり前線より冷たい空気側に発生することになります。
6月12日では低気圧の北側に雨雲が発達し、関東甲信越地方や南九州地方などで強い雨が降っていると考えられます。
寒冷前線は温暖前線に追いつき(冷たい空気が入り込む速度の方が速いから)、閉塞前線となり温帯低気圧は消滅してゆくことが考えられます。
実際の天気図で確かめてみましょう。
***もっと知りたい方へ***
※1)「ハレとケ(とケガレ)」の概念は、民俗学者・柳田国男氏が提唱した時間論の中で論じられている。
「ハレ」は「晴れ」から派生した言葉で、折り目や節目などを意味している。人生の転機となるめでたい日で、正月や七五三、誕生日、成人式、結婚式、受賞日などがこれにあたる。
多くの人を招いて、赤飯や鯛など縁起の良い食べ物を食べ、上等の着物やドレスなど特別な服を着て、祝宴を開く。神社に参拝することもある。
日本人の世界観には稲作を中心とする農耕民族の時間(暦)が基本になっており、月や太陽は「死」と「生」を繰り返す(例えば新月と満月)という観点から、太陽が顔を出した日(つまり晴れの日)はめでたい日とされた。
参照)
丸山明久著「民俗学 = 暦 ~ ハレとケ ~ 祭り =」(常盤塾参考資料、2008 年 8 月 23 日)
https://mbforumsite.files.wordpress.com/2017/08/e4bba5e5898d75.pdf
※2)天気図は「実況天気図」と呼ばれ、日本、中国、朝鮮半島、シベリア地方の多数の気象観測地点と、海上船舶や観測ブイからのデータなどをもとに作成されます。
第二次世界大戦中は、気象情報は国家の最高機密情報でした。現在では気象庁のデータが公開され、誰でも現在の天気図を知ることができます。台風の進路予想は、日本政府だけでなく米海軍によるデータも見ることができます。進路予想は、気象庁の予報とは異なることも多いので比べてみるのも面白いかと思います。
参照)
天気図について(気象庁)
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/tenkizu.html
JOINT TYPHOON WARNINGCENTER(米海軍による台風進路予想)
https://www.metoc.navy.mil/jtwc/jtwc.html
(注意)すべて英語で、台風発生時のみの提供です。
※3)「気候」とは「その地域において毎年繰り返される大気の状態の傾向」のことを表します。
気候は気温、風、降水量によって大きくその特徴が決まり、これらを「気候三大要素」と呼んでいます。
ドイツの気候学者ケッペンは、まず降水量を基準にして地球上の気候を分け、さらに細かく分類し「ケッペンの気候区分」を作成しました。これは今日広く用いられている気候区分のひとつです。植物の分布と気候の区分は密接に関連しているため、気候区ごとに植物が織りなす特色ある風景が見られます。
温暖湿潤気候(Cfa)は温帯性気候(C)の一種です。
温帯とは「最寒月の平均気温が‐3以上18℃未満」である気候帯であり、そのうち一年を通して多くの降水量が見られる気候が温暖湿潤気候と呼ばれます。
日本では北海道は冷帯湿潤気候、本州より南は温暖湿潤気候です。
※4)天気図の書き方については、いろんな解説を見ることができます。
例えば、
光永 佳津美著「わかりやすい天気図の書き方と見方」(夏期大学講座内容③)
http://www.metsoc-hokkaido.jp/saihyo/pdf/saihyo40/saihyo40-070.pdf
実験地学‐7「天気図の書き方」(兵庫教育大学)
https://www.hyogo-c.ed.jp/~rikagaku/jjmanual/jikken/tiga/tga07.htm
ラジオ天気図にチャレンジしてみよう!(Google)
https://weather.goo.ne.jp/summer/study/15.html
※5)「地上天気図」とは別に「高層天気図」と呼ばれるものがあります。
高層天気図は上空の気象状況を知るためのものです。
地上天気図が気圧の同じ地点を線で結んだ「等圧線」と言う線で表されるのに対し、高層天気図では「等高度線」といって、一定の気圧を示す高度を線で結んだものです。300hPa、500hPa、700hPa、850hPaなどの線がよく用いられます。
参照)
岩槻 秀明著「気象学のキホンがよ~くわかる本[第3版]」、秀和システム、2017年12月25日
気象庁「高層天気図について」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/upper_map.html
地球は反時計回りに自転しているので、地上で吹く風は自転の影響を受けて風向が変化します。
北半球では風は右方向(東向き)に曲げられる特徴があります。
直接作用している力ではない「見かけ上の力」、これを「コリオリの力」と言います。
参照)
岩槻 秀明著「気象学のキホンがよ~くわかる本[第3版]」、秀和システム、2017年12月25日
「コリオリの力」(気象予報士試験どっとこむ)
https://tenki-forecast.com/weather/atmospheric-mechanics5/
指導資料―中学校選択理科地学
http://www.edu.pref.kagoshima.jp/curriculum/rika/chuu/sentakurika/tigaku/04page/page07.htm
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