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ニュースなどで、再生医療やiPS細胞の研究成果に関するものを毎日のように目にしますね。再生医療分野での求人も増えてきています。そこで、再生医療研究とビジネス化の現状について、まとめ記事を作成してみました。今回は、実用化研究に関する最新情報と、国内企業の取り組みを中心にご紹介していきます。
注目の「再生医療」に関わる仕事に就くことはできる? 実用化・産業化の現状
Q:注目の再生医療に関わる仕事をしてみたいと思うのですが、現状を教えてください
A:再生医療はまだまだ研究段階ですが、実用化に向けて国を挙げて取り組みが進められているところです。アカデミアの研究だけでなく、企業での取り組みも活発化しています。求人もそれに伴って増えています
■再生医療研究の現状
再生医療と言うと、iPS細胞をはじめとする人工ヒト多能性幹細胞(ES細胞やiPS細胞)に関する報道が目立ち、一般の方の中には、実用化は目前のようなイメージを持つ人も少なくありません。しかしながら、iPS細胞やES細胞を利用した再生医療はすべてまだ臨床研究・治験中の段階で、実用化に至ったものはありません(2014年に理化学研究所の高橋政代リーダーのもと世界初のiPS細胞臨床応用として、加齢黄斑変性の臨床研究が始まりましたが、安全性の問題が見つかり、研究がストップ。その後安全基準が策定され2016年に研究が再開されました)。
対して、体細胞を利用した再生医療は、白血病治療や歯科治療などですでに行われています。体細胞や間葉系幹細胞由来の再生医療製品もすでに発売されています。
現在治験の段階に進んでいる再生医療製品や治療法のほとんどは、体細胞および成体幹細胞です(体細胞、成体幹細胞、多能性幹細胞の違いについては、前回の記事に詳しくご紹介しています)。
つまり、再生医療の実用化は、体細胞や幹細胞由来のものから始まっています。
▼iPS細胞を使った臨床研究・治験(2018年8月31日時点)
加齢黄斑変性 | 理化学研究所 | 高橋政代 | 臨床研究 | 世界初の臨床応用(2014~) |
---|---|---|---|---|
パーキンソン病 | 京都大学(CiRA) | 高橋淳 | 治験 | 初の他家由来細胞(2018~) |
輸血用血小板 | 京都大学(CiRA) | 江藤浩之 | 臨床研究 | 準備中 |
心不全 | 大阪大学 | 澤芳樹 | 臨床研究 | 準備中 |
海外ではオーストラリアで今年の8月、世界で初めて治験が終了し、製品化に一番近いと言われています(サイナータ・セラピューティクス。iPS細胞由来間葉系幹細胞 移植時合併症治療薬)。
※iPS細胞由来の血小板作製の技術については、こちらの記事を是非ご参照ください。
iPS細胞による血小板が拓く医療の可能性 ~CiRA江藤教授の挑戦~
※慶応大学からも、世界初のiPS細胞による脊髄損傷の治療を目的とした臨床研究の計画が申請される予定との発表がありました。(2018/11/15 追記)
<参考>臨床研究と治験の違いとは?
どちらもヒトでの安全性と有効性を検証するため患者の協力のもと行われる研究ですが、治験は公的医療保険の適用を目的としており、より実用化に近い段階と言えます。
臨床研究および治験中の再生医療
今度は、iPS細胞を含めた全体を俯瞰してみましょう。今年(2018年)に入り基礎研究の成果が次々と実用化に向けたステージへ移ってきています。
下記の表は適応部位からみた臨床研究・治験の状況です。
(緑字がヒト多能性幹細胞)
(AMED再生医療実用化研究事業のもとで実施中の臨床研究・治験課題 H29.11時点)
1 | 脳 | 脳梗塞 | 北海道大学 | 寳金清博 |
---|---|---|---|---|
亜急性脊髄損傷 | 慶應義塾大学 | 中村雅也 | ||
2 | 眼 | 加齢黄斑変性 | 理化学研究所 | 髙橋政代 |
角膜上皮肝細胞疲弊症 | 大阪大学 | 西田幸二 | ||
水疱性角膜症 | ||||
京都府立医科大学 | 木下茂 | |||
慶應義塾大学 | 榛村重人 | |||
3 | 心臓 | 小児拡張型心筋症 | 岡山大学 | 王英正 |
拡張型心筋症 | 大阪大学 | 澤芳樹 | ||
虚血性心不全 | ||||
重症心不全 | ||||
慶應義塾大学 | 福田恵一 | |||
4 | 肺 | 肺気漏 | 東京女子医科大学 | 神崎正人 |
5 | 血小板 | 血小板輸血製剤 | 京都大学 | 江藤浩之 |
6 | 血管 | 難治性四肢潰瘍 | 順天堂大学 | 田中里佳 |
7 | 皮膚 | 表皮水疱症 | 大阪大学 | 玉井克人 |
重症急性移植片対宿主病 | 東京大学 | 長村登紀子 | ||
8 | 関節・骨 | 変形性膝関節症(軟骨・半月板) | 東京医科歯科大学 | 関矢一郎 |
変形性膝関節症 | 東海大学 | 佐藤正人 | ||
軟骨損傷 | 九州大学 | 中島康晴 | ||
難治性骨折 | 神戸大学 | 黒田良祐 | ||
9 | 卵巣 | 卵巣癌 | 大阪大学 | 金田安史 |
10 | 尿道 | 腹圧性尿失禁 | 名古屋大学 | 後藤百万 |
11 | 消化管 | クローン病 | 北海道大学 | 大西俊介 |
12 | 肝臓 | 小児尿素サイクル異常 | 国立成育医療研究センター | 梅澤明弘 |
C型肝炎由来肝硬変 | 久留米大学 | 鳥村拓司 | ||
肝硬変 | 金沢大学 | 金子周一 | ||
13 | 口腔 | 口唇口蓋裂(唇裂鼻変形) | 東京大学 | 星和人 |
難治性唾液腺委縮症 | 長崎大学 | 朝比奈泉 |
再生医療の実用化を目指す日本医療研究開発機構(AMED)が採択したテーマはコチラから確認できます。また日本再生医療学会のHPからも治験・臨床研究入りするテーマが増えていることが分かります。
■再生医療関連技術の実用化とは?
ところで、「再生医療の実用化」の意味するところは正確には何でしょうか?
大きく分けて二つあります。
- 医療現場で行われる文字通りの「医療(治療)」
細胞(特に幹細胞)に関する技術を活かした再生医療等製品の開発を含む - 細胞に関する技術を活用した創薬研究での活用
再生医療のカギとなる細胞工学の技術は、幹細胞から臓器そのものを作製し移植することを究極の目的として始まりましたが、複雑な組織を完全に再現するまでの道のりは遠く、実用化という意味では、創薬へ活用することにより重点が置かれてきました。幹細胞を用いて病気の細胞を再現し、薬理試験、薬物動態、毒性など、医薬品開発における各種試験を行うことで、創薬研究が大幅に効率化されるようになってきています。また、モデルが少なく充分な研究ができなかった疾患も、幹細胞を利用して疾患モデル(例えばミニ肝臓など)を作製することで、疾患のメカニズムの解明が進んでいます。
▼治験進行中のiPS創薬
・進行性骨化性線維異形成症(FOP) CiRA
・遺伝性難聴 (慶応大)
いずれもiPS細胞を用いて大量の既存薬を試験し、上記疾患にも効果があることが細胞レベルで示唆されたものです。
また、最近では、慶大を中心としたチームが、パーキンソン病の既存薬が筋委縮性側索硬化症(ALS)にも有効である可能性が高いことを発表したり、パーキンソン病患者から作ったiPS細胞から、効果の見込まれる候補物質を発見したとの発表が相次いでいます。
医療応用としては、細胞から組織・臓器を加工して患者に移植する「組織再生」と、細胞を培養・分化させ患者に投与する「細胞治療」の2分野があります。幹細胞に加工を施して組織や器官を作製し、患部に移植することで症状の悪化を阻止したり、改善したりする細胞加工製品の開発が盛んに行われ、実用化・製品化が近いものが複数あります(後述の治験中の再生医療一覧参照)。
臓器そのものの再生が行われ、人体に移植されるようになるまでにはまだまだ当分時間がかかりそうですが、一部、血管などでは少しずつ実現に近づいているようです。
▼再生医療の実用化に向けたプロセスの分類と具体例
疾患の治療 | ・体性幹細胞/iPS細胞/ES細胞を移植し、組織・器官・臓器の機能を再生修復する ・細胞・組織加工製品(in vitroで形成した組織・臓器)を移植 |
---|---|
創薬の効率化 | ・薬効評価の効率化(iPS細胞など幹細胞を用いて病気の細胞を再現し、候補物質のスクリーニングを行う)
・難病のメカニズム研究 ・幹細胞を蛋白質医薬などの有用物質生産に利用する |
■現在医療として行われている再生医療
現時点で医療現場で行われている再生医療は、年間およそ3500件。
安全性リスクが高い順に第1種、第2種、第3種に分類されていて、再生医療を実施する医療機関は、再生医療安全性確保法に基づき、国に計画を届け出ることが義務付けられています。歯科領域、美容医療など一番リスクの少ない第3種や、がん免疫細胞療法といった保険外診療が占める割合が大きいです。
今後数年のうちには、現在治験が進んでいる軟骨、眼、神経系、循環器などで、保険適用診療が承認される見通しです。
■既に販売されている再生医療等製品
再生医療では、細胞に何らかの技術を施して加工したり、成長させた組織を患部に適用することが多く、それらの製品を再生医療等製品と呼びます(再生医療等製品の正式な定義は厚生労働省のHP へ。
▼実際に実用化されている再生医療製品
製品名 | 適用 | 概要 |
---|---|---|
『ジェイス』ヒト(自己)表皮由来細胞シート
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング |
重症熱傷(やけど) | 患者の正常な皮膚細胞を採取し、特殊な細胞を合わせて培養すると、皮膚類似のシートができる。それを疾患部位に移植する。 |
『ジャック』ヒト(自己)軟骨由来組織
株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング |
ひざ関節軟骨再生 | 患者のひざ軟骨を少量採取し、ゲル状のアテロコラーゲンと混合し立体的な形に成型後、約4週間培養することで本来の軟骨の性質に近づく。これを移植する。 |
『テムセルRHS注』ヒト(同種)骨髄由来間葉系幹細胞
JCRファーマ株式会社 |
急性移植片対宿主病 | 造血幹細胞移植後に発症する合併症、急性移植片対宿主病の治療製品。 健康な成人から採取した骨髄液から分離し、拡大培養したMSCを静脈内に投与し、その細胞自体が有する能力を利用して治癒させる。日本初、他人の細胞由来の製品。 |
『ハートシート』ヒト(自己)骨格筋由来細胞シート
テルモ株式会社 |
心不全 | 患者の大腿部から採取した筋肉組織に含まれる骨格筋芽細胞を培養してシート状に調製し、患者の心臓表面に移植すると、シートから分泌される成分により心臓の表面で血管が再生され心筋の機能が回復する。 |
2018年8月現在、再生医療製品として承認を受け実際に販売されているのは、上記4製品です。ただ、世界的に見ると日本製品は少ないのが実態です。※1
なぜでしょうか?
製品化には、アカデミアの基礎研究で一定の成果の出たシーズを企業が受け取り、治験を実施して国からの承認を得て製造販売を行うことが必要です。治験には莫大な費用が掛かるだけでなく、承認後の製品を安定的に製造、供給することは企業にしかできません。ところが、日本ではシーズから企業治験への移行がスムーズでなく、再生医療を広く世の中に普及させる仕組みづくりが進んでいないとの指摘が数多くなされてきました。
基礎研究では決して世界に引けを取らない日本ですが、実用化し産業として発展させるためには、更なる経済的・社会的環境整備の必要があると言えます。日本で生まれたシーズにもかかわらず、海外で治験が先行するケースもあり、こうした状況に危機感を覚えた政府は、2014年に治験製品の早期承認を目的とした法改正および、さきがけ審査指定制度を創設しました。現在は海外からのシーズも集まりつつあり、治験が活発化してきています。世界で先行する開発競争に追いつかなければ、海外勢に市場を独占される可能性も高いため、安全性や倫理には十分に配慮しつつ、これまで以上に製品化、産業化の動きを加速することが望まれています。
<参考>世界の再生医療製品https://www.skip.med.keio.ac.jp/knowledge/worldprod/world/
以下に、現在の治験の実施状況と企業名をまとめました(遺伝子治療薬は除く)。
▼国内で実施中の再生医療製品治験(2018年8月時点)
企業名 | 細胞の種類等 | 対象疾患 | 備考 | 治験終了予定 |
---|---|---|---|---|
サンバイオ | 他家骨髄由来間葉系幹細胞 | 外傷性脳損傷 | このほか米国で大日本住友製薬の米国子会社と共同で脳卒中による運動障害に対する治験を実施中 | 2019年 |
ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC) | 自家角膜上皮幹細胞 | 角膜上皮幹細胞疲弊症 | 親会社:ニデック(富士フイルムグループ) | 2019年 |
ヘリオス | 他家多分化能性成人前駆細胞 ORヒト(同種)成人骨髄由来多能性前駆細胞 MultiStemR | 急性脳梗塞 | 理化学研究所ベンチャー制度により認定。米国Athersys, Inc 製品を導入 | 2020年~21年 |
日本再生医療(JRM) | 自家心臓内幹細胞 | 小児先天性心疾患 | ノーリツ鋼機グループ。京大特許技術・岡山大 | |
ニプロ | 自家骨髄間葉系幹細胞 | 脳梗塞 | 札幌医科大学病院が医師主導治験として実施 | 2018年~19年 |
脊髄損傷 | 札幌医科大学病院が医師主導治験として実施 | 2018年6月申請済 | ||
ロート製薬 | 他家脂肪組織由来幹細胞製剤 | 肝硬変 | 阪大と臨床研究後、新潟大学で治験 | 2020年 |
ツーセル | 他家滑膜間葉系幹細胞 | 膝関節軟骨損傷 | 広島大学発ベンチャー。中外製薬との共同治験 | 2020年 |
テラファーマ | 樹状細胞ワクチン(自家) | 膵臓がん | 和歌山県立医科大学付属病院が医師主導治験として実施 | 2022年 |
セルシード | ヒト(自己)口腔粘膜由来細胞シート | 食道がん | 東京女子医科大学開発の細胞シート | 2019年 |
富士ソフト・ティッシュ・エンジニアリング | インプラント型自己細胞再生軟骨 | 口唇口蓋裂 | 東京大学 | 2018年6月 申請済 |
大日本住友製薬 | iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞 | パーキンソン病 | 京都大学iPS細胞研究所(CiRA) 医師主導治験 | |
生命科学インスティテュート | Muse細胞 | 急性心筋梗塞、脳梗塞 | 東北大学 | 2020年 |
<その他注目される研究や再生医療ベンチャー(2018年8月時点)>
国立成育医療研究センター:ES細胞由来の肝細胞で高アンモニア血症の赤ちゃんを治療
阪大発
クオリプス:iPS細胞由来心筋シートの研究開発・事業化 澤教授
レイメイ:他家iPS細胞由来角膜上皮細胞シート、角膜内皮細胞の開発・事業化
京大発
メガカリオン:iPS細胞由来輸血用血小板の開発・事業化 CiRA江藤教授
アイハートジャパン:iPS細胞由来心筋シートによる心不全細胞治療開発
慶大発
ハートシード:iPS細胞を用いた心筋再生医療
その他
ヘリオス:理化学研究所+大日本住友製薬と共同で現在臨床研究中の加齢黄斑変性の製品化に取り組む予定
再生医療分野への企業の参入はますます活況に
Q:治験実施中の企業のほかにも取り組んでいる企業はありますか?
A:大手製薬会社、医療機器メーカーやバイオベンチャーなど多くの企業が参入しています
■企業による取り組みの例
これまでの傾向として、製品化の主体はベンチャーが主でした。ところが、最近では大手製薬会社も積極的に投資を始めています(大手製薬会社は、再生医療製品そのものの開発より、創薬への活用に熱心な傾向がありました)。
製薬会社と国内の研究機関との共同研究のほか、海外の再生医療・細胞治療企業が日本で臨床開発を行うために日本の製薬企業と組むケースも増えています。
▼主な製薬会社の動き
アステラス製薬 | ・再生医療ユニット発足(2014) |
・米国バイオテック企業Ocata Therapeutics 公開買付(2015) | |
・米国バイオテック企業ユニバーサルセルズ買収(2018)
・ハートシードへ出資(2018) |
|
協和発酵キリン | ・金子新准教授(京大)と共同研究開始(2015) |
参天製薬 | ・理研、先端医療振興財団と共同研究開始(2016) |
・米国Regenerative Patch Technologies社に戦略投資(2017) | |
第一三共 | ・旭川医科大学、三菱UFJキャピタルとオープンイノベーション研究開始(2016) |
・Cell Therapyよりライセンス供与(2016) | |
・再生医療推進機構とオプション権許諾契約締結(2016)
・阪大発ベンチャークオリプスへ出資(2017) |
|
タカラバイオ | ・米Stem Cells技術提携(2014) |
・再生医療推進機構と共同開発合意(2015) | |
・京大CiRAと共同研究開始(2017) | |
・仏Cellectis株式取得(2017) | |
武田薬品工業 | ・京大CiRAと共同研究(iPS細胞技術の臨床応用)に関する契約締結(2015) |
・NsGeneと共同研究契約締結(2016) | |
・TiGenixと米国外の独占的開発・販売権に関する契約を締結(2016) | |
・京大CiRAと共同研究(創薬応用研究)契約締結(2016) | |
・富士フィルム子会社と共同研究(2018) | |
田辺三菱製薬 | ・韓国Kolon Life Science社とライセンス契約締結(2016) |
中外製薬 | ・ツーセルとライセンス契約締結(2016) |
三菱ケミカルホールディングス | ・Clioの全株式取得、連結子会社化(2015) |
・Clio吸収合併(2017) | |
・グループ会社生命科学インスティテュートでMuse細胞治験開始(2018) | |
Meiji Seika ファルマ | ・理研内に研究拠点開設、共同研究開始(2016) |
ロート製薬 | ・東大医科学研究所に研究部門を設置(2014) |
・琉球大学内に再生医療研究センターを建設(2015) | |
・大阪大学と共同研究講座に関する契約締結(2016) | |
大日本住友製薬 | ・シスメックス、ヘリオスと共同研究開発開始(2016) |
大塚製薬・大塚製薬工場 | ・メガカリオンへ出資(2017) |
テルモ | ・大阪大学、大日本印刷と共同研究講座開設(2016) |
特許庁平成29年度特許技術動向調査報告書(概要)ヒト幹細胞関連技術、その他各社プレスリリースを元にリケラボ編集部作成(2018年8月31日現在)
・富士フイルムは、再生医療に関して熱心に取り組んでいる企業のひとつ
製薬会社以外からの参入企業もあります。特筆すべきは富士フイルムグループです。
すでに2品目を上市しているJ-TEC(ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング)は、実は富士フイルムHDの傘下です。 また、iPS細胞の研究で著名な米再生医療大手オプシスセラピューティクスやiPS細胞製造大手米セルラー・ダイナミクス・インターナショナルの買収、iPS細胞の治験で先行している、オーストラリアのバイオスタートアップ、サイナータセラピューティクス社への出資など、世界的に見ても、最も再生医療に熱心な企業の代表格となっています。最近では武田薬品と共同研究のプレスリリースもありました。
実用化の機運は着実に盛り上がっていると言えます。
次回は再生医療の市場予測と関連企業の状況をお伝えいたします。
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